■日曜日は新しくリリースするミックスCDのマスタリング作業でmercy宅へ。彼にはthe 2nd chaotic tourのマスタリングもらいやした。
生のDJミックス音源なので編集の必要はないし、元データのクオリティーも高かったので、すぐ終わるかなあと舐めてたら意外に重作業。
やったことはシンプルで、現場とCDでは要求されるものが当然違うから、生で録音したものをリスニング用に音質調整するだけ。あまり整えすぎると生のGrooveが逃げるので荒さを消さないレベルでひたすら微調整の繰り返し。特にミックス中のイコライジングなんかは、波形上は不自然でもきちんと意図があるので難しい。ずっとやってると、普通に聴いたらわからないレベルも気になってくるから不思議。どの分野でも、デジタル作業は根気の勝負だな。
飯も食わず2人で6時間近くぶっ通しで作業して、だいたい目処がつきました。DJミックスで、ここまで手間かけるのってあんまないんじゃなかろうか。ミキシングのスキルはまだまだなんで、色々勉強になりますた。良い内容に仕上がってると思うのでお楽しみ。
■夜は、深宇宙@黄色へ。この前のLuke Solomonは体調不良でパスしたのでワクワク。
到着すると、色んな要素が重なったのか駐車場まで長蛇の列が。Deep Spaceってこんなんだっけ?列の途中で友人に遭遇したりと、大箱っぽくってなんかいい。
中に入ると予想以上に激混みで、壁が汗かいてる。人混み嫌いの友人Tが入場5分で「もう帰る」宣言をしてたけど、粘ってたら段々空いてきて良い感じに。Tもフロアのどこかで粘ったみたい。
■3時過ぎくらいからこの日のお目当てHenrik Schwarzが登場。
ライブは、この前みたSleep ArchiveみたいにスキルフルだったりGrooveのキープがうまいという感じは正直あんまりなかったけど、曲はどれも素晴らしかった。まさに新世代のDeep Houseって言葉がピッタリ。リズムの組み方が、テクノっぽかったのがドイツ印で印象的ですた。サイケデリックというよりも、音楽として純粋に楽しめますた。
あと、声フェチとしては、自作曲含めて色々使い倒してた声ネタにもやられやした。HDDには、おいしそうな声ネタアーカイブが詰まってんだろうなあ。誰かに歌わせることのできる環境の人は羨ましい。声ネタって他の音色と違って、時代が変わっても鮮度保てるし。声フェチズムについて話すと長くなるので、またいつか。
■Henrik Schwarzの代名詞になりつつあるAbleton Live丸出しの出音は、男らしかったす。サンレコのスタジオ特集で、錚々たるスタジオ郡の中に1人だけシンプルな部屋(まさに宅録)で堂々登場してたのはカッコ良かったなあ。
余談だけど、音質の評価なんてコンテンツ次第でいくらでも変わるから、そのうち「あのLive特有のペラペラした音が好き」って意見も出てくると思ふ。例えば、僕が初めてJeff Millsを聴いた時はあまりに異質な音質に不良品かと勘違いしたけど、今じゃああいう良さがわかるし。音を「良い」「悪い」で単純化して考えちゃうと、こういう感覚がずっぽし抜ける場合が多々あるんで危険(ダンスミュージックでは特に)。どんなジャンルでも音に至るまでにどれだけ意志や思想を反映するかが肝だと思ふ。
かといって、ボクはLiveの操作性は好きだけど、音質は好みじゃないんですけどねw
■Francois Kは、前回に柏で見た時よりはマシだったけど、レコード時代に何度か経験した天地がひっくり返る怒涛のプレイにはやっぱ及ばなかったす。ボクは、Garage懐古主義者じゃ全くないんですけど。
まあ、これはボク個人の感覚で間違ってるかもしれないし、優劣つける意図もないんで他の人がどう思うかはご自由に(パーティーの感想はこういうのが面倒臭いね)。
とはいえ、この日は大好きなDigital Justice/Theme From It's All Gone Pear Shapedがかかったので大満足。この曲には特別な思い入れがあるから、あの流れるメロディーを黄色で聴くのも最後になるかと思うとちょっと悲しい。
■久しぶりに一晩中PCの出音オンリーを堪能しましたが、良く悪くもレコードとは全然違いやした。
今さら「レコード=遅れてる、PC=新しい」とか「レコード=リアル、PC=フェイク」みたいな議論は不毛だけど、クオリティーの差は明らかにありやす。
デジタルだと、ハマらない曲はさっぱりハマらないし、飽き易い音質になるのは事実かと。。。
ただ、デジタルの方が、エフェクトかけた際の原音×リターンがきっちりハマるなど心地良い部分もある。実際、デジタル音が好きな人って結構増えてるし。例えると、四角フェチみたいな感覚というか。
YellowのPAと色々話してたんだけど、Deep SpaceみたいなPCベースのイベントではレコードの音質に近くなるよう当然調整してるみたいだけど、最終的には全く別物として考えるしかないとか。24bit 96 kHzを基準にしても、本気出した時のアナログとはまだ壁があるように感じました。ただ、デジタル特有のきっちりしたノリをうまくGrooveに昇華できれば、脱出不能なドハメな世界観とか表現できそうな気もする。早く一線の人達が頑張ってノウハウを蓄積して欲すいっす。
ま、FKはいつも必要以上に期待しちゃうんで色々書いたけどけど、全体的には非常に楽しい夜ですた。逝って良かった。
ついでにClosing Partyについてチラッと聞いてみたら既にDJはオファー中みたいで、「期待してもらって良い」とのこと。勝手に期待してやす~☆
次回のDeep Spaceは、4/26 with Flying Rhythmsだそうです。
<おまけ>
Deep SpaceでのFKのセッティング
1 - Allen & Heath 464 mixer
1 - Yamaha SPX-990 multi-effector
1 - Pioneer EFX-1000 processor
2 - Macintosh PowerBook 17" and 15"
1 - RME Hammerfall cardbus & Multiface audio interface
1 - Echo Indigo Audio interface
2 - Evolution UC-33e USB controller
2 - Firewire Hard disks
1 - Pioneer CDJ1000 Mk II
Software: Traktor DJ Studio 3.0 and 2.6
*Most audio files played are 24-bit / 96 kHz high-sampling format.
No MP3 files (or any other compressed format).
RME欲しいなあ。
≪ 続きを隠すYAMADAtheGIANT | 2008年02月12日 | Party | コメント (8)