オーディオノウハウ1:スピーカー編 からの続き。Quad 11L2を買ってはみたもののパワードスピーカーではないので当然アンプが必要です。最初は人から借りたアンプで鳴らしていたのですが、どうも良い音にならないのでアンプを買い換えることに。
■アンプ選びの方針 いつもと同様に、まずは方針決めから。オーディオは、プレーヤー→プリアンプ→パワーアンプ→スピーカーという組み合わせで鳴らすことが一般的です。アンプの役割は主に増幅で、2段階にわけて増幅しているわけです(正確には、オーディオ系のアンプだと、セレクターや音色調整といった役割が大きいみたいですが)。この理由としては、レコードだとアナログ信号が微弱でスピーカーで鳴らすレベルまで持ち上げるには、前段処理と後段処理をわけて整える必要があった名残とボクは理解してます(現代の音源で、プリとパワーアンプを分ける必要があるのという疑問はまたの機会に)。一般家庭で使われるようなアンプでは、写真のようにプリとパワーアンプが一体型になったプリメインアンプを使用しているので、意識されないケースも多いです。
さてDJの場合、ミキサーがプリアンプとしての役割を果たしています。一方でプリメインアンプにも入力切替/イコライジングといった機能が搭載されています。つまり、DJミキサーとプリメインアンプを接続してしまうと同じ機能のために、無駄な回路を通していることなります。意外に軽視されがちですが、オーディオの基本として重複する機材や回路を通すことは原則ご法度です。オーディオ友人のA君のように各機材の特性を活かして何重も直列接続して凄い音を実現している猛者もいますが、これは特異な例であって大原則としてはやはりシンプルであるべきでしょう。DJミキサーはイコライジングがあったり豊富な入出力が切替られたりとコントローラーとしては優秀なので、パワーアンプ側は増幅意外には余計な機能は一切いらないはずです。必要なものは入力1系統かつボリュームコントロールのパワーアンプ。この方針は悩むこともなくすぐ決まりました。
■エルサウンドとの出会い いざ探しているみるとシンプルなパワー・アンプは中々なくて苦労しました。アンプに限らず大手メーカーの機材はマーケティング優先なので余計な機能や装飾をつけがちで、研究開発費やら人件費やら広告費ものっかるのでとにかく高い。アンプのような構造が単純かつ既に技術として確立されているものは、研究開発やら広告にお金をかける必要も正直ないわけで、ガレージメーカーやマイナーメーカーから選ぶ方がよいと考えてます。そこで、まず目についたのが国産のソウルノート。Soulnote Sa1.0 (10万円) シンプルな構成なのとデザインがクールな外観のが何より気に入った。ただ、ネットだとアンチと擁護派がわかれるブランドで、試聴出来る環境も近くになかったのと、冒険で買うには予算的に厳しかったので除外。ただ、今でも気になってるアンプではあります。 途方にくれたところ、出会ったのが大阪のガレージブランドエルサウンド 。電話で問い合わせするとオーナーの奥さんらしきおばさんが応対するようなDIYメーカーですが、「不要な機能やデザインは削ぎ落とす」、「パワーアンプは小出力が一番」、「プリアンプは要らない」など独自のブランド哲学が的を射ていて素晴らしい。 ラインナップをみたら超シンプルなパワーアンプを発見!デザインも無骨で最高。パワーアンプEPWS-5V(VR付)AC 3Pインレットタイプ (41,500円)
出力わずか5W(通常のオーディオアンプは100W)。コントロールは電源スイッチとボリュームしかなく、入力は1系統、筐体に余計なデザインも一切ないという潔さ。説明文にあるコンセプトもわかってる。『ディスクリートアンプの電源電圧は低いほど音が良いは常識。家庭用に数十Wのアンプは要りません。静かに美しい音色を楽しむには小出力アンプが最適です。高級部品使用。価格と音質は比例いたしません。』 ボクも日本住宅で何百ワットもあるアンプを使うのは、フェラーリで下道を走るようなもので、あまり意味がないと考えていたのでコンセプトで即決。値段もオーディオ用のアンプとしては良心的な部類かと。■音質 結論からいくと、このアンプは名機です。とても4万円クラスのアンプとは思えない到底ないクオリティーで、繋いだ瞬間ビビりました。ボクが聴いた限りではおそらく数十万円のアンプとも良い勝負します。八王子Shelterの音響やってるMさんへうちの音を聴かせた際、このアンプに一番に食いついてました。 特徴はというと、低域から高域まで高密度で、ジャンルを問わないフラットさを備えています。「しっとり」という形容詞がぴったりで癖になる音質です。今は、分離性を重視するような音質が流行りですが、見事に逆行しているのもわかってる。今後、ソースはDAWでバキバキに編集されてよりデジタル化していくのは間違いないので、再生装置はアナログ的な鳴りでバランスをとるべきというのがボクの持論です。エルサウンドのアンプは真空管のようなアナログアンプではないですが、音色的にアナログに適しているという意味ではアナログ的です。 出力5Wで大丈夫なの?という点は、全く問題になりません。Allen&Heath 62から繋ぐ場合、ボリューム位置10時弱くらいで数人でホームパーティーやれる程度の音量は稼げます。普段聴きなら9時の位置で十分です。 Quad11L2との相性もバッチリで、Quadの繊細さ、エルサウンドのしっとり感がお互いの良さを引き立ててくれます。デジタルを点状な音色とすると、アナログの線状につながっている音色が、キモチよく表現されてて電子音楽の再生も全然いけます。 以前に使用していたアンプは大手メーカーの確か5万円前後のものでしたが、ボリュームコントロール(増幅)だけに大半の原価を費やしているのと、余計な機能や宣伝がのっかっているアンプでは品質は全く別次元ということを証明してますね。とにかくジャンルを選ばない汎用性の高いアンプなので、10万以下でアンプを探すなら強烈に推奨します。 次回に続きます。
■アンプ選びの方針 いつもと同様に、まずは方針決めから。オーディオは、プレーヤー→プリアンプ→パワーアンプ→スピーカーという組み合わせで鳴らすことが一般的です。アンプの役割は主に増幅で、2段階にわけて増幅しているわけです(正確には、オーディオ系のアンプだと、セレクターや音色調整といった役割が大きいみたいですが)。この理由としては、レコードだとアナログ信号が微弱でスピーカーで鳴らすレベルまで持ち上げるには、前段処理と後段処理をわけて整える必要があった名残とボクは理解してます(現代の音源で、プリとパワーアンプを分ける必要があるのという疑問はまたの機会に)。一般家庭で使われるようなアンプでは、写真のようにプリとパワーアンプが一体型になったプリメインアンプを使用しているので、意識されないケースも多いです。
さてDJの場合、ミキサーがプリアンプとしての役割を果たしています。一方でプリメインアンプにも入力切替/イコライジングといった機能が搭載されています。つまり、DJミキサーとプリメインアンプを接続してしまうと同じ機能のために、無駄な回路を通していることなります。意外に軽視されがちですが、オーディオの基本として重複する機材や回路を通すことは原則ご法度です。オーディオ友人のA君のように各機材の特性を活かして何重も直列接続して凄い音を実現している猛者もいますが、これは特異な例であって大原則としてはやはりシンプルであるべきでしょう。DJミキサーはイコライジングがあったり豊富な入出力が切替られたりとコントローラーとしては優秀なので、パワーアンプ側は増幅意外には余計な機能は一切いらないはずです。必要なものは入力1系統かつボリュームコントロールのパワーアンプ。この方針は悩むこともなくすぐ決まりました。
■エルサウンドとの出会い いざ探しているみるとシンプルなパワー・アンプは中々なくて苦労しました。アンプに限らず大手メーカーの機材はマーケティング優先なので余計な機能や装飾をつけがちで、研究開発費やら人件費やら広告費ものっかるのでとにかく高い。アンプのような構造が単純かつ既に技術として確立されているものは、研究開発やら広告にお金をかける必要も正直ないわけで、ガレージメーカーやマイナーメーカーから選ぶ方がよいと考えてます。そこで、まず目についたのが国産のソウルノート。Soulnote Sa1.0 (10万円) シンプルな構成なのとデザインがクールな外観のが何より気に入った。ただ、ネットだとアンチと擁護派がわかれるブランドで、試聴出来る環境も近くになかったのと、冒険で買うには予算的に厳しかったので除外。ただ、今でも気になってるアンプではあります。 途方にくれたところ、出会ったのが大阪のガレージブランドエルサウンド 。電話で問い合わせするとオーナーの奥さんらしきおばさんが応対するようなDIYメーカーですが、「不要な機能やデザインは削ぎ落とす」、「パワーアンプは小出力が一番」、「プリアンプは要らない」など独自のブランド哲学が的を射ていて素晴らしい。 ラインナップをみたら超シンプルなパワーアンプを発見!デザインも無骨で最高。パワーアンプEPWS-5V(VR付)AC 3Pインレットタイプ (41,500円)
出力わずか5W(通常のオーディオアンプは100W)。コントロールは電源スイッチとボリュームしかなく、入力は1系統、筐体に余計なデザインも一切ないという潔さ。説明文にあるコンセプトもわかってる。『ディスクリートアンプの電源電圧は低いほど音が良いは常識。家庭用に数十Wのアンプは要りません。静かに美しい音色を楽しむには小出力アンプが最適です。高級部品使用。価格と音質は比例いたしません。』 ボクも日本住宅で何百ワットもあるアンプを使うのは、フェラーリで下道を走るようなもので、あまり意味がないと考えていたのでコンセプトで即決。値段もオーディオ用のアンプとしては良心的な部類かと。■音質 結論からいくと、このアンプは名機です。とても4万円クラスのアンプとは思えない到底ないクオリティーで、繋いだ瞬間ビビりました。ボクが聴いた限りではおそらく数十万円のアンプとも良い勝負します。八王子Shelterの音響やってるMさんへうちの音を聴かせた際、このアンプに一番に食いついてました。 特徴はというと、低域から高域まで高密度で、ジャンルを問わないフラットさを備えています。「しっとり」という形容詞がぴったりで癖になる音質です。今は、分離性を重視するような音質が流行りですが、見事に逆行しているのもわかってる。今後、ソースはDAWでバキバキに編集されてよりデジタル化していくのは間違いないので、再生装置はアナログ的な鳴りでバランスをとるべきというのがボクの持論です。エルサウンドのアンプは真空管のようなアナログアンプではないですが、音色的にアナログに適しているという意味ではアナログ的です。 出力5Wで大丈夫なの?という点は、全く問題になりません。Allen&Heath 62から繋ぐ場合、ボリューム位置10時弱くらいで数人でホームパーティーやれる程度の音量は稼げます。普段聴きなら9時の位置で十分です。 Quad11L2との相性もバッチリで、Quadの繊細さ、エルサウンドのしっとり感がお互いの良さを引き立ててくれます。デジタルを点状な音色とすると、アナログの線状につながっている音色が、キモチよく表現されてて電子音楽の再生も全然いけます。 以前に使用していたアンプは大手メーカーの確か5万円前後のものでしたが、ボリュームコントロール(増幅)だけに大半の原価を費やしているのと、余計な機能や宣伝がのっかっているアンプでは品質は全く別次元ということを証明してますね。とにかくジャンルを選ばない汎用性の高いアンプなので、10万以下でアンプを探すなら強烈に推奨します。 次回に続きます。
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