遅くなりますたが、前回 のリード線に続きヘッドシェルのレビューを。ボクの印象や嗜好が含まれてやすが、DJで使えるヘッドシェルのレビューってあまり見ないんで何かの参考になれば。カートリッジShure m97xe、リード線western electric(すずメッキ単線)、ミキサーAllen&Heath Xone:62を前提にしたレビューっす。
山本音響工芸 HS-3
自重: 8.2g
■最初に試したのは、前から気になっていた山本音響工芸の木製シェル。
メーカー商品紹介
『稀少で優れた材質のツゲ材を使用した新型ヘッドシェル。ツゲ材は古くは櫛(くし)や印鑑などに使用されていた非常に良質な木材で、比重は約0.75と、桜材よりも少し重い程度ですが、木目が非常に細かく、均質でその木目は肉眼では見えないほどの細かさで、アフリカ黒檀よりも優れています。木の強度も高く櫛や印鑑のような精密な加工を施しても欠けたりしない強度と弾力性も備えています。実際に三味線の撥(ばち)にも使用されていました最近は材料が少なくなり黒檀以上に稀少な素材です。
・素材:ボディー:黄楊(ツゲ)材(クリヤー・エコ塗料仕上げ)
・指かけ部:真鍮(非磁性金メッキ仕上げ)
・外形寸法:18(W) 50(L) 18(H) 取り付け部・指かけ部分を除く
・自重: 8.2g (リード線を含む・取り付けネジを含まず)
・付属品: 標準型4色シェルリード付属、真鍮製金メッキ取り付けネジ3種付属 』
ヘッドシェルを選ぶにあたって連日秋葉原の大人系オーディオショップに通ってたんですが店員の「若造はズンドコしてりゃいいんだろ」的な偏見丸出しな視線に負けず、しつこく根掘り葉掘り質問しまくり悩んだあげく購入。パーティーの人付き合いは相変わらず肌に合わないけど、オーディオショップ店員には少し耐性ついた。
ただ、木のヘッドシェルに金を払うのって、何か道を踏み外した気が。。。嗚呼これもオーディオ。
家に帰って、手に持ってみるとビックリするほど軽い。音の方は、いわゆるDJ用シェルとは全く違い、独特のやさしい鳴りで繊細になりますた。リズム重視でない生音を、自宅環境でまったり聴くには良いような。ストリングスの伸びとか綺麗に再生してやした。ただ、ドンシャリ傾向の強いダンストラックには全く合わず。Allen&Heathの分離の良く堅めな音とも相性も悪い気が。
まあ、これって買う前から少し予想してたんだけど、どうしても木のシェルって試してみたかったんす。と強がってみるけど痛いな。。。
AT-LH18/OCC
自重18.0g
■次は逆に重いシェルを試してみようと、前から気になってたAudio Technicaのテクニハードシリーズを選択。定番の殺し文句「NASA開発の新素材」にズキューン。自重18gという超ヘビー級。
メーカーの商品紹介
『テクニハード&ステンレス材。PCOCCリード線宇宙技術の高音速超硬質素材“テクニハード”マイクロビッカース硬度400以上。ヤスリに負けない表面硬度をもつ“テクニハード”はNASAの技術から生まれた特殊加工アルミニウム素材。軽く、伝播音速が速いので、音響用素材にも好適。ヘッドシェルやアームパイプ、スタビライザーなどの構造材として、通常のアルマイトでは得られない強度と耐久性、高音質を実現してくれる。』
こちらはアホみたいに重いので、SL1200付属のアームウェイトだけではバランス取れない。音の全体像に対するピントは合う気がするものの、どこか重々しい。パンチ力はありやす。
ただ、ちょっとした針飛びでもレコード痛めそうで怖い。現場行く際に補助ウェイトを、いちいち持ち歩くのも面倒なので却下。
AT-LT13A
自重12.8g
■ついでに、オーテクのベタなモデルも試してみる。う〜ん、まだ硬め。どうもオーテクの傾向は好きじゃないっぽい。ただ、音のバランスはAT-LH18よりこちらの方が好み。ただ、アレヒが硬め、フラット傾向のため、針周りは丸くしたいので却下。
HS-1
■廉価カートリッジも試さないと違いがわからないだろうと思い、Pickeringをチョイス。やっぱ値段相応かな。音軽くなるし、あんま特質すべき点なし。
あとは、オーヲタ御用達のSMEとかオヤイデオリジナルのヘッドシェルが気になったけど、さすがに予算オーバーなんで、ここで断念。。。無念。
■んで、最終的にはいまいちグッと来るのサウンドに出会えなかったので、以前使っていたStanton 680HP(今は生産中止)に付属していたヘッドシェルに戻しました。この組み合わせの音に大きな不満があるわけじゃないので。ちまみに、StantonのDJ用ヘッドシェルは多少デザインが変わってて、ボクのは旧モデルっす(丸みのあるロゴフォントが新モデル)。音の違いは試してやせんが、デザインは旧モデルの方が好きです。仕様が変わってるかどうかは不明。
■今回の結果をみても、ヘッドシェルの素材、重さで結構音は変わりやす。オーディオ素人の太マット(元太虫先生)がLIVErearyに来た時に、左右に違うシェルをつけていることを伝えずに、さりげなくレコードかけてたら「いつもと音が違う気がする」と言ってたので、誰でもわかるくらいの差はあるようです。
最終的にボクがDJ用シェルに戻した点は、巷に溢れてるダンスミュージックはクラブにせよレコ屋にせよほとんどがDJ用のシェルを通して再生されているので、その音に耳が馴染んでいたという影響もあるはずです。
金かけた割に残念な結果になりますたが、今のセッティングがそこそこハマってるとわかっただけでもよしとしますた。カートリッジ、リード線、ヘッドシェルは三位一体なんで、また機会があったら色々組み合わせて楽しんでみやす。余裕ができたら、曲や気分に合わせてカートリッジやシェルの組み合わせを変えてみたいな。
■画一的な安定と再生を好しとするデジタルとは違う概念とは違い、調整次第で異なる楽しみ方が許されるのがアナログの魅力です(今更、アナログとデジタルのどっちが上とかはないですよ)。
「機材に注ぎ込む金あるならレコード買う」って意見もありますが、ボクの場合オーディオ熱とレコード熱は一定周期でまわってやす。セッティングがきちんとハマれば、極端な話、所有するレコードが全て新譜と同じように新鮮に聴こえるので費用対効果は高いんす。
ただ、DJの立場から考えると最近は個人レベルでセッティングしているような箱やバーが増えてるし、ヒドい所だと針圧調整がうまくしできてなかったり(実際、店員やDJでも正しい針圧調整を知らない人をたまに見るし)、ハウちゃったりしてる所もあるので、現場ではアナログ的な追い込みは段々難しくなっていくような気がしやす。
ボクは最近になってやっとレコード以外にCDを使うようになりますたが、これはデータでしか手に入らない音源が増えたというだけでなく、悲しいかな粗悪なセッティング環境においてはCDの方が安定して鳴るからなんす。
例えば、分厚いレコードをかけてもハウリングしたりブースが揺れて針飛びするくらいなら、フルレンジで安定して突っ込めるCDの方がパンチ力があると。それに、最近の曲はデジタルプレイ前提でマスタリングしてるし。
こういう消極的な理由で流れていくのは好きじゃないんですが、メディアの選択ごときで音楽の本質が削がれるわけではないので、時代に合わせるしかないんだろうなあ。デジタルにもメリットは多々あるし。でも、ミックス時のGroove感はゆらぎのあるレコードがしっくりくるので、重いレコードバッグはまだまだ担いでいくつもりす。
これからアナログ文化はかなり縮小していくと思いますが、、各自が工夫すればまだまだ楽しめる可能性は残されてるんで、興味ある人は色々やってみて下さいです。
山本音響工芸 HS-3
自重: 8.2g
■最初に試したのは、前から気になっていた山本音響工芸の木製シェル。
メーカー商品紹介
『稀少で優れた材質のツゲ材を使用した新型ヘッドシェル。ツゲ材は古くは櫛(くし)や印鑑などに使用されていた非常に良質な木材で、比重は約0.75と、桜材よりも少し重い程度ですが、木目が非常に細かく、均質でその木目は肉眼では見えないほどの細かさで、アフリカ黒檀よりも優れています。木の強度も高く櫛や印鑑のような精密な加工を施しても欠けたりしない強度と弾力性も備えています。実際に三味線の撥(ばち)にも使用されていました最近は材料が少なくなり黒檀以上に稀少な素材です。
・素材:ボディー:黄楊(ツゲ)材(クリヤー・エコ塗料仕上げ)
・指かけ部:真鍮(非磁性金メッキ仕上げ)
・外形寸法:18(W) 50(L) 18(H) 取り付け部・指かけ部分を除く
・自重: 8.2g (リード線を含む・取り付けネジを含まず)
・付属品: 標準型4色シェルリード付属、真鍮製金メッキ取り付けネジ3種付属 』
ヘッドシェルを選ぶにあたって連日秋葉原の大人系オーディオショップに通ってたんですが店員の「若造はズンドコしてりゃいいんだろ」的な偏見丸出しな視線に負けず、しつこく根掘り葉掘り質問しまくり悩んだあげく購入。パーティーの人付き合いは相変わらず肌に合わないけど、オーディオショップ店員には少し耐性ついた。
ただ、木のヘッドシェルに金を払うのって、何か道を踏み外した気が。。。嗚呼これもオーディオ。
家に帰って、手に持ってみるとビックリするほど軽い。音の方は、いわゆるDJ用シェルとは全く違い、独特のやさしい鳴りで繊細になりますた。リズム重視でない生音を、自宅環境でまったり聴くには良いような。ストリングスの伸びとか綺麗に再生してやした。ただ、ドンシャリ傾向の強いダンストラックには全く合わず。Allen&Heathの分離の良く堅めな音とも相性も悪い気が。
まあ、これって買う前から少し予想してたんだけど、どうしても木のシェルって試してみたかったんす。と強がってみるけど痛いな。。。
AT-LH18/OCC
自重18.0g
■次は逆に重いシェルを試してみようと、前から気になってたAudio Technicaのテクニハードシリーズを選択。定番の殺し文句「NASA開発の新素材」にズキューン。自重18gという超ヘビー級。
メーカーの商品紹介
『テクニハード&ステンレス材。PCOCCリード線宇宙技術の高音速超硬質素材“テクニハード”マイクロビッカース硬度400以上。ヤスリに負けない表面硬度をもつ“テクニハード”はNASAの技術から生まれた特殊加工アルミニウム素材。軽く、伝播音速が速いので、音響用素材にも好適。ヘッドシェルやアームパイプ、スタビライザーなどの構造材として、通常のアルマイトでは得られない強度と耐久性、高音質を実現してくれる。』
こちらはアホみたいに重いので、SL1200付属のアームウェイトだけではバランス取れない。音の全体像に対するピントは合う気がするものの、どこか重々しい。パンチ力はありやす。
ただ、ちょっとした針飛びでもレコード痛めそうで怖い。現場行く際に補助ウェイトを、いちいち持ち歩くのも面倒なので却下。
AT-LT13A
自重12.8g
■ついでに、オーテクのベタなモデルも試してみる。う〜ん、まだ硬め。どうもオーテクの傾向は好きじゃないっぽい。ただ、音のバランスはAT-LH18よりこちらの方が好み。ただ、アレヒが硬め、フラット傾向のため、針周りは丸くしたいので却下。
HS-1
■廉価カートリッジも試さないと違いがわからないだろうと思い、Pickeringをチョイス。やっぱ値段相応かな。音軽くなるし、あんま特質すべき点なし。
あとは、オーヲタ御用達のSMEとかオヤイデオリジナルのヘッドシェルが気になったけど、さすがに予算オーバーなんで、ここで断念。。。無念。
■んで、最終的にはいまいちグッと来るのサウンドに出会えなかったので、以前使っていたStanton 680HP(今は生産中止)に付属していたヘッドシェルに戻しました。この組み合わせの音に大きな不満があるわけじゃないので。ちまみに、StantonのDJ用ヘッドシェルは多少デザインが変わってて、ボクのは旧モデルっす(丸みのあるロゴフォントが新モデル)。音の違いは試してやせんが、デザインは旧モデルの方が好きです。仕様が変わってるかどうかは不明。
■今回の結果をみても、ヘッドシェルの素材、重さで結構音は変わりやす。オーディオ素人の太マット(元太虫先生)がLIVErearyに来た時に、左右に違うシェルをつけていることを伝えずに、さりげなくレコードかけてたら「いつもと音が違う気がする」と言ってたので、誰でもわかるくらいの差はあるようです。
最終的にボクがDJ用シェルに戻した点は、巷に溢れてるダンスミュージックはクラブにせよレコ屋にせよほとんどがDJ用のシェルを通して再生されているので、その音に耳が馴染んでいたという影響もあるはずです。
金かけた割に残念な結果になりますたが、今のセッティングがそこそこハマってるとわかっただけでもよしとしますた。カートリッジ、リード線、ヘッドシェルは三位一体なんで、また機会があったら色々組み合わせて楽しんでみやす。余裕ができたら、曲や気分に合わせてカートリッジやシェルの組み合わせを変えてみたいな。
■画一的な安定と再生を好しとするデジタルとは違う概念とは違い、調整次第で異なる楽しみ方が許されるのがアナログの魅力です(今更、アナログとデジタルのどっちが上とかはないですよ)。
「機材に注ぎ込む金あるならレコード買う」って意見もありますが、ボクの場合オーディオ熱とレコード熱は一定周期でまわってやす。セッティングがきちんとハマれば、極端な話、所有するレコードが全て新譜と同じように新鮮に聴こえるので費用対効果は高いんす。
ただ、DJの立場から考えると最近は個人レベルでセッティングしているような箱やバーが増えてるし、ヒドい所だと針圧調整がうまくしできてなかったり(実際、店員やDJでも正しい針圧調整を知らない人をたまに見るし)、ハウちゃったりしてる所もあるので、現場ではアナログ的な追い込みは段々難しくなっていくような気がしやす。
ボクは最近になってやっとレコード以外にCDを使うようになりますたが、これはデータでしか手に入らない音源が増えたというだけでなく、悲しいかな粗悪なセッティング環境においてはCDの方が安定して鳴るからなんす。
例えば、分厚いレコードをかけてもハウリングしたりブースが揺れて針飛びするくらいなら、フルレンジで安定して突っ込めるCDの方がパンチ力があると。それに、最近の曲はデジタルプレイ前提でマスタリングしてるし。
こういう消極的な理由で流れていくのは好きじゃないんですが、メディアの選択ごときで音楽の本質が削がれるわけではないので、時代に合わせるしかないんだろうなあ。デジタルにもメリットは多々あるし。でも、ミックス時のGroove感はゆらぎのあるレコードがしっくりくるので、重いレコードバッグはまだまだ担いでいくつもりす。
これからアナログ文化はかなり縮小していくと思いますが、、各自が工夫すればまだまだ楽しめる可能性は残されてるんで、興味ある人は色々やってみて下さいです。
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