先日、電源ケーブルの試聴会を行いますた。
試聴会の目的は、Xone:62に繋ぐ電源ケーブルの製作。以前のミキサーではボクが自作した電源ケーブルを使ってたんだけど、単純にケーブルの品質をあげて付属ケーブルよりはマシという程度だったんで、今度は相性から考えてみようかと。
場所は、Orbitで機材メンテなどをしているOさんの家で行うことに。中に入ると、テレビの「片付けられない人」とかで紹介されそうな迷路部屋。ボクの部屋も散らかりすぎとよく怒られるけど、まだまだ上はいるなと一安心。それでも、音の鳴るスペースだけは、しっかり確保されてる習性が微笑ましい。来客に備えるために部屋のレイアウトを一部変更したらしく、部屋の鳴りが変わってしまったことをずっと悔やんでました(すんません)。
Oさんは、某有名レーベルのスタジオ出身ということで、個人宅じゃありえない機材がチラホラ。ブレーカーからケーブル直引きにもニヤリ。
主なリファレンスは3枚。好きな音鳴りのアナログ(Man FridayとかGeorge Bensonとか)を色々持っていったんだけど、タンテの置き場所が取れなそうだったんで、手元にあったCDで。選んだ理由は以下の通り。
●The 2nd Chaotic Tour
聴きなれている。自分のミックス感がわかる。横断型の選曲なので様々な楽器、シンセが入ってる。箱鳴りを仮想したマスタリング(モデルはYellowのフロア)。
●KarafutoのLIVE MIX CD(タイトル忘れ)
最近の曲が複数入ってるので、デジタル系のトビ鳴りとか確かめやすい。とりあえずテクノ。
●Smile Hunter/Once11
個人的に大好きなマスタリング。音の分離や反響具合が素晴らしい(キック音のにじみ方とか最高)。
ボクの好みをざっくりと伝えて、電源ケーブルの試聴開始。今回求めた条件は、フラット傾向、分離が良いこと(奥行き間)、汎用性の高い再生能力など。ピュアオーディオ的な視点も大事だけど、なにより自分のDJプレイに合ったケーブルを探すことに。
一通りのケーブルを全て聴き終わって、だいたいの優劣を伝えると、Oさんが「じゃあ、次はプラグいこうか」とケーブル×プラグの相性も考えることに。この時点で既に朝。内心は「プラグ程度じゃ、たいして変わんないでしょ」と高をくくってたんですが、やってみると確かに違う。
例えば、硬めな音にしようと、プラグもケーブルもキンキンなやつにすると逆にうるさくなるとか、奥が深い。
最終的には、プラグで明るめの色付けをして、ケーブルをやや控えめで地味な素材にすることで、ボクが好きな"DeepだけどFunkyなニュアンス"を表現できる組み合わせに。エグイ色付けではなくフラット目なんで、アレヒとの相性も良いはず。
驚いたのは6時間くらいかけて様々なパターンを試したにも関わらず、最終的にはボクが一番気に入ったケーブルと、Oさんが事前にお薦めしようと思ってたモノが同じだったこと。ブラシーボ効果を防ぐために「どのケーブルがおすすめか」なんて話は事前に交わしてないし、試聴中の感想もお互いすぐに出さないようにしてたんだけど(即答してると一番手の感想に引っ張られちゃうんで)、プロって凄いわ。「飯食べちゃうと音変わるから」と、コンビニ行くタイミングまで二人で注意してた甲斐がありますた。
オーディオショップで打ち込みとか試聴すると煙たがられるし(あの無言のプレッシャーに堪えられる肝っ玉が欲すい)、店員もこっちの現場を理解してないから、こういう機会はホントありがたい。面倒な作業なのに、嬉々とした顔でケーブルをいじり作り続けてくれたOさんに感謝す。
「J○Lは過大評価されすぎ」と意気投合したり、高価な機材は購入前に持ち帰りテストできるとか、プロスタジオの過酷な労働状況とか、ここでは書けないようなヒドい話とか、合間のトークも楽しかったっす。
Oさんのように専門的な知識やスキルがあって、時に正しかったり間違ってたりする現場の意見を柔軟に聴いてくれるヒトって大事にしたい。特にパーチーとかは、友人関係よりも能力や思想で繋がった絆で成り立つべきだと思うんす。友人はパーチーなんか関係なく無条件で友人だしね。
音楽不在の青春系身内パーチーやネームバリューだけの業界パーチーって、日本独特の文化だと思うけど、中の人は楽しくても、純粋な客からすると大抵つまんないんす(しかも、楽しんでる身内はゲスト価格で、つまらなくしてた奴が正規料金を払ってるというオチ)。個人的に遊びに行く時は、スタッフの頑張ってる姿だとか"いわゆる"な客層だとか「○○さん~」みたいなラウンジトークとかよりも、まずは金払うに値するサウンドを提供してもらえるとありがたいのですが。。。これは自戒の意もこめてますけど。
毎度のごとく脱線したけど、ここでも何度か書いてるように、音を良くしたいならミキサーだの針だのスピーカーに高い金を払うよりも、電源周り(コンセントとか電源ケーブルとか)の方が断然効果高いっす。泥水をガンガン濾過するより、清水を少し濾過した方が綺麗なのと同じ。興味持った人は、右ならえのブランドやビンテージに金落とす前に、まずはコンセントに数千円かけて見てちょ~。
時期を見てLIVEraryの環境でも、色々テスト考えてやす。
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