■久しぶりに東海岸からの大物刺客。加えてUniversal Indiann、Levon Vincentという渋過ぎる面子なので随分前から楽しみにしてやした。今も昔もボクはUSハウス信者で、中でも東海岸ハウスについてはかなりの思い入れがありやす。
雑に言うと、西海岸ハウスってのは、ビーチで女の子がキャッキャ踊っているようなリア充臭がするのに対し、東海岸ハウスは汗臭い男達が箱の中で踊っているような独特の生臭さというか童貞臭があるわけですw どちらもUSハウスなので愛すべき脇の甘さみたいなのは共通しているものの、やはり地域性の差はありやす。
んで、日本では東海岸ハウス=懐メロと勘違いされてる節がありやすが、当たり外れがデカかったりフェイクDJが多いのは事実にせよ、東海岸はUSハウスの中でもシカゴハウスと同じように歪んだフェチズムを含んでると思ってます。
例えば、Jus-EDの新譜なんか聴いてても、2010年とは思えないシンプルな構成だったり90sな音色を使ってたりしやすよね。他にも、windowsのペイントで編集しただけなんじゃねえかってくらい縦横比が歪んでたり、画質がヒドい記念写真みたいなのをラベルに貼ってたりするのもUSハウス。TraxやDance maniaのラベルの版ずれしてたり2重張りされてたのもUSハウスです。
■Elevenに入ると、一発でそれとわかるJus-EDを発見。信頼できそうなフトム体型にまずニヤリ。Kマート(アメリカの量販店)で売ってるような丈長過ぎのダボダボサイズに「Live in Tokyo」と臆面も無くドーンと書かれたTシャツを、誰よりも早く本人が着ちゃってるあたりも抜かりない。「こりゃデキるぞ」と、期待に胸が膨らみやす。勝手な持論ですが、ハウスDJはHipHopと違い、ファッションと内容は反比例しやすい傾向にありやす。
■アツオさんが終わってLevon Vincentが始まる時に、Jus-EDがブースに入り音止めかと思うと、いきなりマイクを握り「今日は東海岸スタイルを見せてやるぜ」と煽った瞬間に勝利を確信。前後の繋がりとか全く考えてねえw
Levon Vincentの方は、楽曲のイメージよりハウシーですた。おっさんくさい選曲の割に、ラウンジでチョロっと喋ってたら、まだ20代半ばだそうでビックリ。絶対デトロイトテクノマニアだと思ってたら、そこまで好きじゃなさそうだったのも意外ですた。選曲はカッコ良かったっす。
■夜も更けた頃、ついにお目当てのJus-ED登場。
Roland丸だしのズンドコ腰に来る重めの通称ケリチャンビート(Kerri Chandlerに代表されるやつね)に、シンプルなコード弾きをあてがっただけのウワモノというこれぞ東海岸スタイル。終いにには時折マイクで「House music〜♪」とか語り乗っけてられたらね・・・久しぶりにフロアで完敗宣言しますたw
ネットで拾ったミックスを聴いた印象では金太郎飴なDJなのかなと想像してたけど、爆音と照明のある現場で聴くのは違いますね。これだからクラブは面白いす。
■出音も素晴らしかったす。セッティングがいつも違ってたみたいだけど、それでもDJ変わった瞬間に、音が変わってたから腕なんだろうなあ。自分なんかElevenで3回やってもまだまだ甘いところがあるのに、初見のクラブであそこまで綺麗にならすって現場を相当積んでるんじゃんなかろうか。フロアで会った友人も何人か言ってたけど、今まで何度かElevenに逝った中でも一番の音質だったと思いやす。
この日のDJは、全員レコード中心だってのも良かったっす。あそこまで反響がある環境で長時間聴いてると、デジタルとアナログでは朝方のフロアに明確な差が出るような気がしやす。
■内容の方は、ま~独特のハメグルーヴで、DopeでもDeepでもアッパーでもサイケデリックでもスペーシーのどれでもないんだけど、同時に全て当てはまるというか。選曲もGrooveもオリジナルだし、ボクの経験ではちょっと他にああいうDJは思いつかないす。ハメ度だけで見ても、Doc Martinとかに匹敵するクラスですた。
Pepe Bradock/Deep BurntとかKOT/Finallyとか大ネタハウスもたまにかかってたけど、がっつりロングミックスでハメてくるから違う曲に聴こえてやした。ホント聴いたことない世界観だったす。
最近は、同じような曲の繰り返しでたまにホワイノイズでプシャーっと盛り上がるだけで一晩が終わってしまう外タレDJもいるけど、ボクはやっぱり骨太で黒いGrooveが好きみたいです。自分のプレイでも"っぽい"曲でお茶を濁しちゃう時あるけど、シンプルなハウスでもあそこまでハメられるんだと自戒しやした。
最初は適当に飲みつつ聴いてたものの、気付いたら最後までガンガン踊ってしまい、右後ろ組専用の通称「山田ルーム」まで利用する始末。
クソ渋い面子の割に女子率高かったのは驚きますたが、叫んだり手を挙げてる奴は、ほぼ100%野郎ですたw
■Tも同意見みたいだったけど、とりあえず今のところ今年NO.1パーティーかもす。というか、ここ1、2年で見たDJで最も好みですた。初見の襲撃度という点では、数年前に見たDonato Dozzy、もっと前に見たSunshine Jonesのライブにも匹敵するかも。あまりに興奮して翌日にレコード買いまくってしまいやした。この感じ久々だなあ。
やっぱ40歳超えてもまだハウスやってるDJって、選曲とかスキルとか恐ろしい方向に振り切れてやすね。
■この日はメインもサブフロアも音ありきの素晴らしいブッキングで、最初から最後まで純粋に音楽を楽しめますた。こういう企画はどんどんやって欲しいし応援したいす。
ホントにごちそうさまですた。ハウス好きなら、一回見て損はないDJだと思いやす。また呼んで〜☆
<おまけ>
Jus-EDにJack your bodyとCan u feel itって書いてもらってみた
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昨日のElevenありがとうございやした。平日なのに意外に踊ってる人が多くて、ノビノビやれやした。やっぱ、あのブースと出音は、他の箱とは違った何かがあるね。出音を褒められ嬉しくなって飲み過ぎて、久しぶりに帰りの電車でループしますたw まだ頭痛い。。。
さて本日金曜日は、渋谷でUmebar、Reloveと2つやります〜。昨日とは全く違ったセットで逝く予定なので是非〜☆
■1件目はUme Barで。初めて行く場所なので楽しみです。ボクは1:30-3:00の予定です。yotaro君やP-ruff君もご一緒します。
2010.8.20(金)23:00-
OUTHOUSE@渋谷32016(UME BAR)
Guest DJ :
YAMADAtheGIANT
DETOX
DJ:
Jyotaro
P-RUFF
tTy
FOOD:
COBITCH
<32016(Ume Bar)アクセス>
東京都渋谷区渋谷3-20-16 ニュー栄ビル3F (1階に【ニュー信州】)
■2軒目は、Reloveで。ボクは4:00〜6:30の予定です。こちらは朝方用のセットで逝こうかと思います。
2010.8.20(金)20:00 open 22:00 start
summer madness@relove
1000yen(1D)
DJs:
YAMADAtheGIANT
kinmedye
Mana
rOyAl
VJ:
UNNO
<Reloveアクセス>
東京都渋谷区道玄坂2-22-6 4F
03-6416-9949
2010.8.19(木)
SOUNDPOST〜PUBLICHOUSE〜@Eleven
¥2000-1D/¥1500-1D(WITH FLYER)
DJ:
YAMADAtheGIANT(LIVErary/Pureself)
hyota.(TAICOCLUB)
NAKO(AMEE)
TAKESHI SUTO
明日木曜日はElevenで。6月にも呼んで頂いたSoundpostへ2回目の出演です。最近は完全にアナログ中心のプレイスタイルに戻ったし、Elevenも慣れて来たので伸び伸びやりたいす。
当日は神宮の花火大会もあるみたいなので、お近くの方は是非〜ん☆ディスカウントなど希望の方は当日20時頃までにフルネームと人数を書いてyamadathegiant@gmail.comまでメール頂ければ入れておきます。
『elevenで毎週木曜日に行われているパーティー、SOUNDPOST。8月19日はPUBLICHOUSEです。
ダンスフロアをセクシーに演出するのは4人のDJ陣。タイコクラブ所属のDJ、hyota.と"LIVErary"主催YAMADAtheGIANT、 LUKE SOLOMONやDERRICK L CARTERとの競演も記憶に新しいDJ NAKOと、サウンドエンジニアとしても国内外問わず評価の高いDJ TAKESHI SUTOでお送りします。
お近くにいらっしゃる方は是非お立ち寄り下さい。』
8/15(日)17:00-
SUNDAY AFTERNOON SESSION〜feel〜@八王子SHeLTeR
Charge Free
DJz:
MOROI(Sci-Fi)
FUJINO
YAMA
feat.
YAMADA the GIANT(LIVErary/Pureself/STTH)
座禅BEAT(SAI)
food:
Q-CHANG CURRY▼(HASHINOSHITA)
日曜日は八王子シェルターで。都内小箱〜中箱では最高峰のピュアサウンドシステムを搭載している場所なので、何を持って行こうか楽しみ。チャンスがあれば新針もテストしてみようかと思っておりやす。ノリとタイミングが合う方は是非〜☆
前回からの続きです。AT7Vをm97xeを中心に比較してみますた。
■AT7Vはエージングが終わってから他針と比較しやした(エージングは単なる耳の慣れなのか他要素なのか個人的にハッキリした回答はできやせんが、感覚上の変化は確かにあるので客観性を高めるには必要と判断してやす)。
昔にセールで買って新品状態で眠っていたPickeringのヘッドシェル、同時期に購入したWestern Electricのリード線がそれぞれ2セット分あったので、Shure m97xe、AT7Vに繋いで可能な限り同じ環境でテストを行ってやす。インプレは自分が感じた印象を誤摩化さずに書くよう努めてやすが、所詮は個人レベルのテストなのと、新しく買った製品に対する贔屓目もあるはずなんで、各自で判断して下さいです。
■m97xeもAT7Vもダンスミュージック用ではないので、まず一般的なDJ針と比較しやした。ボクや知人が所有していたNight Club E、Pickering 625DJ、Shure White Labelを、聞き慣れたLIVEraryの環境で試聴。
音源については、楽器(打ち込み or 生音)、音数、展開、音圧、盤質、ジャンル、年代などが異なるレコードを幅広くかけるようにやした。良音盤だけでなく盤質に不純物が入ったシカゴハウス盤や、スカスカのLPとかもかけるようにしてやす。ダンスミュージックでも年代によってマスタリングが違ったりするので、こういった辺りもなんとなく意識してやす。
これは現場でのサウンドチェックでも同じような考えでやってるんですが、幅広い音源をかけることでシステムの許容範囲や懐の深さが図れると思ってるからっす。例えば、マスタリングやカッティングの良いレコードばかりだとカートリッジが頑張らなくても綺麗に再生しちゃうこともありえるので。あと、このHPで何度か書いてやすが、Theo ParrishやJeff Millsなどのデトロイト系のレコードはエグイカッティングがされているので、トレース能力を図るには便利です(例えば、初期Night Club Eなんかは再生できないレコードがありやす。今のモデルは知りやせんが・・・)。
んで、これらのDJ針との比較では、Shure m97xe、Audio Technica AT7Vが解像度、定位、全体の音質バランスともに頭一つ抜けている印象でした。特に高域に関しては、明らかにDJ針の方は鈍っているので空間性やキレという部分で弱くなる気がします。
高域が出る=シャリシャリと思われがちですが、実は高域が出ないと低域のキレまで悪くなりやす。これは、バスドラムやベースにもアタック音(最初に鳴る部分)や以降の部分にも高域成分が含まれているからです。当然、残響音など微細な部分にも高域成分は関わってきやす。ピュア針で異常に上の周波数を再生しようとしているのはそのためです。
なので一聴した際に認識しやすいハイハットの印象だけで、音質を調整したり判断するのは危険っす。ボクはアナログっぽい音とは嫌味がないことだと考えてやすが、高域が鈍っているだけなのに丸みがあるアナログ的な音と捉える考えは嫌いですw
やっぱりDJ用針はスクラッチ対応できるようにカンチレバーを太くしたりコイルを多めに巻いて出力上げているので、音質という面では劣るような印象を受けました。ただ、針飛びや耐久性といった部分に関してはDJ針の方が上なので、使い勝手は捨てがたいものがありやすね。上記のDJ針も聴けないレベルじゃないので、個人の優先順位で選べば良いかと。
■ここからが本題。Shure m97xe VS オーテカAT7Vです。
Shure m97xe
再生周波数:20-22,000Hz
出力電圧:4.0mV
適正針圧:0.75g-1.5g
重量 : 6.6g
分離よりも音の繋ぎがしっかりした暖かみのあるサウンド。所謂スモーキーな音。生音が土臭く聴こえるのでJazzリスナーに好まれる理由はよくわかります。詳細は購入時のレビューも参考にして見て下さい。
長所
・埃、反響に強い(針先についた埃ブラシがスタビライザーの役目もします。埃まみれのレコードを再生しても針はほとんど埃がつかない構造。)
・どんな音源も嫌味なく再生する。汎用性が高い。
・針飛びしにくい
・耐久性が高い(バックキュー可能、適正針圧超えても3gくらいまでは大丈夫)
・アナログらしい音色
短所
・出力が小さいので、DJ使用するならリード線などのカスタムは必須
・パンチのある現代的な音ではないので、CDの音と比べると定位感や分離では劣る。
(ただ、m97xe自体が分離をさせずに音を固まりで再生するようなコンセプトなので、分離の良さとは別の深みはあります)
Audio Technica AT7V
再生周波数帯域:15〜25,000Hz
出力電圧:5.0mV
針圧:2.0g標準
質量:約6.2g
とにかくクリアで全帯域が元気に派手な音。スモーキーな鳴りのするShure m97xeや、解像度の高くないDJ針と比べると薄皮一枚剥いだくらいの印象を受けます。鳴りは情報量に富んだ現代的な色です。ネットではドンシャリというレビューを見かけたので心配してますたが、低域、高域だけでなく中域も充分出ているので、そういう下品な印象は受けませんでした。
解像度が非常に高いためリバーブ成分の再生力、低域の力強さなどは目を見張ります。特に、コンガなどの生パーカッション、ピアノ、ボーカル、ビブラフォンといった倍音成分やリバーブ成分がハッキリ出るような音は、「こういう鳴りだったのか!」と気付かされるくらい別世界の発見がありやす。
なにより一番の特徴は、スピード感のあるキレ。例えるなら、空間を日本刀でザクザク切っていくような爽快感。高域の音まで拾っているので、アタック音が強調されるためにスピード感や分離感が出させるしょうね。ギターのカッティング音、バスドラのアタック音、チョッパーベースの弦の震えなども、ハッとさせられます。
アナログ=丸みがある音・スモーキーな音と捉えがちな風潮を踏まえると、鳴りはデジタルっぽいです。もちろん構造はデジタルじゃないので、アナログの良さは充分備えてます。分離感、定位感などに限ればCDの鳴りに近い、高い再生力がありやす。ベルクハイン周りの音やら最近のサウンドセッティングを聴いていると、高解像度、高分離な方向へガンガン振るのが時代的に流行ってるっぽいですが、そういう意味では今っぽい鳴りで若い人にも好まれそうな音です。
長所
・圧倒的な解像度
・スピード感のあるキレ
・定位の再生力(3D的な鳴り)
・低域、中域、高域を高いレベルで再生してくれるのでパンチがある
・生音、ボーカルなどの複雑な倍音成分を綺麗に再生する
・音圧の低いレコードも元気よくGroovyに再生できる
・バックキュー可能(Shure m97xeやDJ針には劣りやすが、プレイには問題ないという印象です。旧イエローやLIVEraryで使用していたDJ針Stanton 680HPは頭出しでたまに飛んでたけど、それよりは少しまともなレベル。どうしても頭出しで飛ぶ時は、アンチスケーティングいじればほぼ大丈夫です。グニョグニョに曲がっているレコードもスタビライザーなしで再生してくれやす)
短所
・埃に弱い
カンチレバーが細いため埃が溜まると一気に音質劣化します。なので、プレイ前のレコードクリーナーでコロコロしてやるのは必須。針先クリーニングもたまにした方がいいです。コロコロしてれば60分くらいは大丈夫だけど、針先の埃は数枚単位でこまめにチェックした方がいいすね。
・プチノイズに弱い
盤面の音を繊細に拾うため、プチノイズや大きな傷についてはShure m97xeより目立ちます。ただ、気になるレベルは明らかに盤質が悪過ぎるもので(ユニオン評価で言えばC以下とか)尚かつドラムなどのないブレイク部分に限るので、普通にやってれば特に気にする必要はないかな。
保留点
・針飛び
401宅で一晩テストした際に、どうしても飛ぶレコードが2枚程ありやした。ただ、全く同じレコードを自宅で試したら問題なく再生していたので、タンテのセッティングはシビアになるのかも(たぶん水平に関わる部分だと思います)。マーシー宅やLIVEraryで数時間テストした際には、一度も針飛びはしなかったので、今のところはそこまで不満は感じてないす。
心配なのはクラブのように振動の多い環境でやったらどうなるかという点で、これはやってみないとわからないです。Shure m97xeはイレブンやWoalでも一晩中鳴っていたので全く問題なかったです。
・耐久性
バックキューとかできるので予想より強いという印象ですが、壊れるまで使ってみないとなんとも言えないので保留です。DJ使用なら半年超えれば合格だと思いやすが。Shure m97xeはDJでラフに使っていても半年は余裕で持ちます。
■ついでにカンチレバーも比較。
Audio Technica AT7V
Shure m97xe
Pickering 625DJ
AT7Vのカンチレバーはかなり細いことがわかりやす。これが高い解像度や瞬発力のあるキレに繋がってるのしょう。バックキューは問題なくできますが、物理的に考えてShure m97xeより耐久性が高いってことは多分ないでしょうね。
写真を取って初めて気付きましたが、m97xeのカンチレバーがヒドい汚れすねw 針先交換してから1年くらいハードに使ったので自然劣化もあるでしょうが、おそらく手の脂による錆びでしょうね。DJ中に針先の埃を手で取っちゃう時があるんで、今後は気をつけないとですね。まだまだ気付かされることがたくさんありやす。
■Marcy宅で帯域解析もしてみますた。AT7V、Shure m97xeをそれぞれRodec DJミキサー→卓ミキサー→RME Fireface400経由でPCに取り込んで、Logic上でwavesで解析しています。動画の出音はどちらもAT7Vですが、youtubeに再生するために圧縮しているので動画の音質自体はあまり参考にならないかもです。解析画面の参考にしてみて下さい。
サンプル音源は、音数や展開が多いものを選んでやす。
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動画は、赤で囲った部分の動きに注目してみるとわかりやすいです。埋め込み動画は小さいので、youtubeのリンクをクリックして大きな画面で見た方がいいかも。
Audio Technica AT7V VS Shure m97xe Part1
音源:The Brat Pack/I'm never gonna give you up
左:Audio Technica AT7V
右:Shure m97xe
Audio Technica AT7V VS Shure m97xe Part2
音源:King Sunny Ade and His African Beats/365 is My Number
左:Audio Technica AT7V
右:Shure m97xe
高域の情報量、定位の広がり、低域の立ち上がり方など波形で見ても明らかに違いが出てますね。全体的な情報量はAT7Vの方が多いですが、部分的にはm97xeの方が拾っていたりする部分があるのが興味深いです。スーパーローに関しては、波形上だとm97xeの方が出ているように見えますが、聴覚上は明らかにAT7Vの方がズンズンいってやす。おそらくドラムやベースのアタック音が、前に出てるからなんでしょうか。
■総評としてはAT7Vは、圧倒的な解像度・広がりのある空間性・パンチのある音が魅力で、Shure m97xeは暖かみのある音質・どんなソースにも対応する汎用性の高さ・埃による音質劣化がほとんどない設計が魅力です。
どちらも音作りの方向性が全く異なるので、優劣については正直つけられないです。どちらの長所も両立できないので好みやシチュエーションでわけていくしかないでしょうね。こうやってオーディオ地獄にハマっていくと・・・
ちなみにマーシーは最初はShure m97xeの方が聴きやすいと語っていて、色々と試聴していくと解像度と音圧でAT7Vの方が優れいてるというコメントをしていました。ボクも同じ印象ですた。
安くて頑丈な針しか使ったことのない元B-boyの彼は「これが本当のレコードの音か」と、早速AT7Vの購入を考えてやした。
他にも何人かに聴かせましたが、総じて生音の再生に関しては笑ってしまう程の好反応がありやした。
面白かったのは、ヒップホップとかエレクトロのようなシンプルな構成の音楽が、恐ろしい音圧と解像度で再生されて新しい聴こえ方をしていたこと。A tribe called questとかマルコムマクラーレンが空間系に聴こえましたw 80sのダサイPopシンセやリズムマシンも、スカッと綺麗に再生してやした。最近のベルリン盤のような定位や音圧が計算されたハウスやテクノも、細かいオートメーションまでハッキリ聴こえるので真価を発揮してくれやす。
派手な音でなので飽きやすそうな印象でしたが、実際に一晩中何回か再生した感じでは、情報量が多く細かい音や展開まで聴こえるので、むしろクソみたいなLPでも音質だけでお酒飲めちゃいやす。マーシーと波形解析していた夜にパーティーに行く予定でしたが、彼がAT7Vの音にハマってしまい外には出ず6時間以上も連続試聴していたくらいです。
■ただ、AT7Vは埃や針飛びに関しては当然DJ針よりはシビアになるので、面倒臭いのは事実(Shure m97xeはリード線さえ変えてしまえば面倒はありやせん)。多分、現場で盤面掃除をしないDJが一人でもいたら持ち込むのは無理でしょうねw 音質を取るか操作性を取るかでしょうが、DJ針からの乗り換えなら下手にアンプやスピーカーを替える以上の音質変化がありやす。サブ針でもいいので1つ持っておくと確実にアナログに対する見方は変わると思います。
現時点でオススメの針を尋ねられたらShure m97xe、AT7Vをプッシュしておきます。どちらを購入しても音質に関しては、DJ針には勝てるクオリティーを持っているはずです。
また長くなってしまったorz 次回で最後にします。
≪ 続きを隠す前回に針を替えて以来、2年ぶりに新しい針に乗り替えたのでレビューしてみやす。久々にガチのオーディオ記事っすw
レビューについては特徴をハッキリさせるために辛辣に書いている部分もありやすが、あくまで個人の感想なのと特定モデルの使用を否定する意図は全くないのでご理解を。稚拙な部分もあるかと思いますが、カートリッジ選びの参考になれば幸いです。
■事の発端は、2年以上愛用していたShure m97xeがカートリッジごと死亡した上に、交換針がついに生産中止になったこと。
メーカーページでnot available表示されてるし、季刊誌のアナログでも生産中止と明言されていたので確定かと。ちなみに交換針は日本精機宝石工業(JICO)が今後も生産してくれるそう。ネットで検索しても国内外に市場在庫はかなりあるし、カートリッジ本体はまだ販売されているのであと2年くらいは大丈夫っぽい。
購入した当初は「ピュア用の針をDJで使うなんて・・・」と言われたけど、よく頑張ったよ。音質、耐久性、設計ともに素晴らしい針でした。以前に書いたレビューを参考に購入した方も何人かいて、そういう繋がりがあったのも嬉しかったな。お疲れ様ですた。
壊れた時点ではShure m97xeをまた買い替えようと思っていたけど、そろそろ新しい音を聴いてみたいという浮気心に負けて新たなパートナー探しへ。
ちなみにShure m97xeはDJ Harveyも来日時にUreiミキサーと組み合わせて使っていたそうです。ヘッドシェル&リード線はオヤイデだったみたい。ただ、以前のレビューでも書いたようにShure m97xeとUreiとの組み合わせは丸くなり過ぎる印象があるので、今っぽいアレヒみたいな現代的な鳴りのミキサーに合わせた方がボクは好みです。実際、イレブンの際も柔らかい音色でした(もちろんクオリティー的には全く問題ないんで好みの差っす)。
ちなみに、以前リリースしたPureselfのライブミックスCDは、Allen&Heath xone 62+Shure m97xeの組み合わせで録音しています。
■針選びの条件は以下の通り。
1. 現行品であること(DJ使用ではいきなり壊れることがあるのと2台同時に使うため、替えが新品状態ですぐ手に入らないと意味がないので)
2. Shure m97xeと同等もしくはそれ以上の音質クオリティーであること
3. バックキューができること
4. 一体型でないこと(経験則でコンコルドなどの一体型タイプは、値段と品質が全く見合ってないモデルが多い印象を受けるので。リード線やシェルなどで調整ができないので。)
5. メーカーのスタンスや信頼性(カートリッジのようなマニアックな製品にこそ企業の姿勢や体力が反映されるのはずなので)
まず音質という点で、DJモデルは除外。DJ対象の針というのは、カートリッジ内でコイルを多く巻いたり(コイルを巻けば巻くほど出力が大きくなりやす)、スクラッチに対応できるようカンチレバー(針先を支える部分)を太くしているものを指しますが、どうしても音質は損してしまう傾向にある気がしやす。今までShure m97xeとDJ用針を比べてきた中でも、音質という点ではやっぱりDJ針は劣るなあという印象があったので候補からは外しました。
んで、ピュアオーディオ系の針で心配なのは現場での針飛びや長時間使用した際の耐久性になるわけですが、中箱〜大箱クラスでPAがいるようなところでは、常駐されている針に合わせてグライコやらプロセッサーのプログラムが行われていることと、箱の共振を踏まえて針圧設定されているので、自分の出番の際にいきなり針だけを替えることは実はあまりないんす(実際、クラブは閉鎖空間で爆音を鳴らしているので、フラットに聴こえても裏ではプロセッサーやらグライコでかなり音がいじられています)。もし針を替える場合は、オープン前のサウンドチェックに立ち会ってPAの方と一緒にセッティングを追い込むべきですが、そういう機会は年に何回もないので、現場における針飛びや耐久性についてはそこまで神経質にならなくてもいいかなと判断しますた。バーとか小箱なら出番の時だけサラっと替えちゃうこともありますが、そういう時は自宅環境と大差ないので家で使えていれば問題ないかと。
あと、ピュア用針は一度リリースしたら10年くらいモデルチェンジしないとかザラですが、いくら売れるからと言って毎年毎年新しいモデルが出てたり、同じ型でいくつもラインナップがあるDJ針を見ると「きちんと追い込んでからリリースしているのか?」と疑い深くなっている点もありやす。
あとDJモデルの針は、個体差が結構あるみたいで外れをひくことがたまにありやす。自分の場合は、以前にpickering 625DJを新品購入したら片チャンネルが出なくて交換してもらったことがあります。現行のStanton 680EVも、個体によってかなり出力差があるというのを複数の人から聞きました。
と、DJ針批判みたいになってしまいますたが、要はピュア用針を買いたかったというボクの嗜好ですね。ボク含めてオーディオ好きという人種は、例外なくノイローゼかパラノイアですから、精神衛生上、安心できるという点は何より大事なわけですw
■んで、色々と考えたあげく、選んだのがAudio TechnicaのAT7V。
Audio Technica AT7V
再生周波数帯域:15〜25,000Hz
出力電圧:5.0mV
針圧:2.0g標準
質量:約6.2g
・ネットや雑誌のレビューによると、AT7Vはオーディオマニアの間でも音質に対するコストパフォーマンスで高い評価を受けていること。
・ロングセラーモデルであること
・Shureと並ぶ大手老舗、国産、オーディオマニアにも浸透しているメーカーの信頼性
・オーテカ製品のクリーナーやイヤホンを愛用していて、地味だけど安く中身のある製品を作っていてユーザーのことを考えている印象があること
・VM型というMM型に対抗する技術をウリにしているので、Shure m97xeとは違った音質変化が見込めること
・ピュア用針にしては出力がDJ針と遜色ないこと
がこのモデルに至った理由です。1万円くらいで買えます。
ただ、このモデルをDJ使用している人はボクが調べた限り国内外で見つからなかったので、バックキューができるとか耐久性に関してはギャンブル。とは言っても、Shure m97xeもDJ使用している人は全然いなかったけど試してみたら普通に使えたので、あまり心配はしてませんでした。最悪DJプレイで使えなくても、レコードのデータ取り込み用としても使えるしね。DJオーディオはピュアオーディオの世界に比べると、ブランド名やスペック表に左右されてしまってまだまだ検証されてない部分が多い気ので、D.I.Y精神が発揮できるし面白いす。
■製品の善し悪しを見分ける際に、梱包は意外に大事。
カートリッジに付属しているケース
DJ用針だと替え針がたくさんついてたり梱包が異様に豪華だったりするモデルがありやすが、余計な所にお金をかけている可能性が高いです。1〜3万くらいの価格帯であれば、ピュアオーディオ用針の方が、質素な梱包が意外に多いです。AT7Vも厚紙の箱にカートリッジケースが入っているだけ。しかも、梱包されていたケースがヘッドシェルをマウントしたままケースとしても使用できるという優れもの。カートリッジケースって普通に買うと数千円〜1万くらいするので、これはかなりありがたい。
■良い機会なんで簡単にカートリッジの構造も説明しておきやす。きちんと仕組みを理解しておけばユーザーを舐めた煽り広告に騙される確率はぐっと下がりやす。無駄金を使わないためにはオーディオリテラシーは大事w
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Via 林 正儀のオーディオ講座
表のようにアナログ用のカートリッジはMC型(ムービングコイル型)、MM型(ムービングマグネット型)と大きく別れます。これは磁石とコイルの位置がどこに設置されるか、つまり針先からの振動に対してまずコイルが反応して動くか磁石が反応して動くかという差です。MM型は磁石→コイルという並びなので構造上コイルを大きく取れるのでたくさん巻けば出力が稼げます。DJ針の出力が異常に高いのは、この構造を利用しています。当然、パワフルな音質がウリになります。ただし、MM型はShureの特許技術なので、オーテカのVM型のように独自技術で対抗しているメーカーもありやす。MM型と書かれたカートリッジは、みなShureにパテント料を払って使ってます。ちなみにNightclubでおなじみのコンコルド型やナガオカのDJ用カートリッジも構造は全てMM型です。
一方でMC型はコイル→磁石という並びになり、構造上コイルは小さくなり巻き数を稼げないため、出力は低くなりますが、繊細かつ高解像度な音質で高域の対応力などが優ります。ただ、カンチレバーも細いので、スクラッチはおろかバックキューさえ厳しくなります。
一般的にピュアオーディオの世界ではMC型の方が音質が良いとされていますが、MC型は異常に出力が低いので(DJ針の5倍〜10倍くらい小さい)、専用のフォノイコライザーが必要になってきます。なので、テクニクスのタンテにそのままMCカートリッジをつないでもDJ針と同じようには鳴りません。David Mancusoが使用しているとか言われる光悦なんかはMC針です。
ただ、ピュアオーディオ系の人が好むクラシックやJAZZと、僕らのいるダンスミュージックの世界では音質の捉え方や盤質の許容範囲が異なることや、出力が低く繊細に反応するというは歪みに対しても反応しやすくなるので個人的にはMC>MMという単純な構図を盲信してコンプレックスを感じる必要はないと思ってます。オーディオマニアでもMM型とMC型は併用している人が多いようですし、別の機材くらいに考えておけば良いかと。
んで、このような点を踏まえると、Shure m97xeやAT7Vはハイエンドな世界では入門機に位置しますが、DJ使用と音質を両立できるという点では最上位機種の部類に入るかなと思ってやす。
■ShureのMM型と双璧をなすVM型という技術ですが、これは左右独立したマグネット2つをカンチレバー元にV字に配置してやす。昔はShureのムービングマグネットという技術に色々対抗した製品が出てたみたいですが、今でも真っ向からケンカを売り続けている大手メーカーはオーテカくらいでしょう。こういう心意気にはやられます。(GradoもMC型に対抗してFB方式というカートリッジ内に円盤を配置した特殊方式を開発してやすが、DJモデルはMM型と表記されていたりすることもあって、よくわからんので今回は見送りました。ちなみにGrado社長のジョーグラドはオペラ歌手らしいですw)
VM型の基本構造
マグネットの位置と数に注目
①コイル ②コイルボビン ③ポールピース ④マグネット ⑤スタイラスチップ ⑥カンチレバー ⑦マグネットサポート ⑧ゴムダンパー ⑨振動支点固定サスペンションワイヤー ⑩振動系固定スクリュウー
Via 懐かしいスピーカー達
んで、VM型の音ってどうなのよ?って話になりやすが、ShureのMM型とはビックリするくらい異なるサウンドデザインです。
一言で言えばステレオ感、残響、分離感が強調されたパンチのある音色。鳴りとしては極めて現代的で一聴するとデジタルっぽい鳴りです。これがオーテカサウンドという所以なのかな。デジタルっぽい鳴りと書くと語弊がありそうなんで補足しておくと、分離や解像度がアナログにしては高いという意味です。アナログはどちらかというと、分離やステレオ感ではデジタルに劣る部分もありますが、VM型はCDに近い定位や派手さで再生してきます。もちろんアナログなので、低域のふくよかさ、倍音の美しさといったアナログの良さが消されるわけではないですが。
VM型の特徴をざっくり書きましたが、AT7Vの音質については後でもう少し細かく書きます。
■デジタルの話が出たのでついでに書いちゃうと、ピュアオーディオ界隈では既に「デジタルオーディオがレコード音質を超えた」と言う論調があるようです。んが、これはオーディオシーンの最前線を走っている化け物マニアの方々が、散々セッティングを追い込んだ上で24bit/192khzといったレベル(CDは16bit/441khz)で再生している世界での話だと思われるので、DJオーディオにこの論調を当てはめるのは危険っす。以前、プレク大好きさんともお話しましたが、「デジタルオーディオの音質を左右する肝は、微細な電源の揺さぶられ」にあるはずなので、どうしても多機能にせざる負えないDJ界のデジタルオーディオがアナログの音質を超えるのは、遥か先のような気がします。ボク自身も実感していますが、デジタル機材は多機能になればなるほど音が悪くなります。つまり余計な作業が増える程、常に電源が揺さぶられるからです(わかりやすく例えれば、PCで複数アプリを立ち上げて作業しているようなイメージ)。あまり大きな声では言えやせんが、最近話題になっている某CDJの最新機種も昔の機種の方が"音質"だけなら良い気がしやす。スペック表だけ見ると進化してそうだけど、そうじゃないのがオーディオの難しいところ。
ボクが未だにアナログでやってるのは、自分が触れた中では、デジタル音源がアナログ音源を超えて再生しているシステムを聴いたことがないのが理由です(ただ、タンテがハウってるとかそういうレベルでセッティングが甘いと、CDとかPCの方が綺麗に鳴る場合は当然ありやす)。
う〜ん、また長くなってしまった。。。
次回は、オーテカAT7VとShure m97xeの徹底比較をやってみやす。お楽しみに☆
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