『毎月第四木曜に青山はOATHからひっそりとグッドミュージックを展開しております!
今回のゲストは、LIVERARYからYAMADA the GIANT氏。
東高円寺のパワースポット、grassrootsにおいて、Do! the Hustle!!を展開。毎月良質なバイナルをディスクジョックしているJyotaro氏。』
水曜日はModuleで。Slave to the houseというハウスをテーマにしたパーティーの一発目。正直、平日だから誰も来ないかなあと思ったら、深い時間になるにつれ人が増えてて最後までフロアに人が残っていたのがビックリしました。一人で来てた人も多かったけど、学生には見えないしああいう謎の人種が普段なにしているのか気になります。
YutaroさんというDJが、Deep Houseを今風にアップデートしたGrooveでツボでした。ハウスDJで久しぶりにいい感じのDJみたなあ。自分もゆったりやらせてもらい堪能させてもらいやした。段々Moduleのブースにも慣れてきたので、色々とうまく鳴らせるようになりたいす。次回は2/4(水)らしいので是非〜。
『HOUSEに求められるものは快楽、HOUSEが求めるものもまた快楽…。間違ってないとは思うけど快楽しかないのなら別にHOUSEじゃなくてもいい。
HOUSEはそんなに単純じゃない。快楽主義的な音楽のようだけど(だからこそ?)その奥は混沌としていて、覗き込むことすらためらわれる。それがなければHOUSEじゃない。じゃあ「それ」ってなんだー?
「それ」は「業」だ。他にも他にも言い方があるかもしれないけど、これがSlave to the Houseの答え。
Slave to the HouseはHOUSEのパーティー。業を背負ったすべてのひとたちに、快楽を約束します。』
度肝を抜かれた一冊。当時のキャッチコピーにある"This is a puzzling book with a puzzling plot."という表現がぴったりで、67回のフラッシュバッグと1通の手紙で構成された狂気の世界に、圧倒されやす。2人の宇宙飛行士が人類初の金星有人探索へ旅立つんだけど、戻ってきたのは1人でしかも狂っていたという話。
科学SFを期待して買ったら大ハズレにせよ、それでも痛快なSFす。NYの作家らしいユーモアとパルプ加減に溢れた、文学な世界。
精神病棟やら宇宙船やら夫婦生活といったシーンが矢継ぎ早に押し寄せ、加速していく狂気と官能が独特の文体で綴られてやす。最終的には物語すら破綻して現実に投げっぱなされるわけだけど、ボクはむしろ清々しい気持ちになりやした。
ニューロマンサーとかでおなじみの黒丸尚が惚れ込んで翻訳したのも頷けやす。多分、黒丸尚の仕事の中でもかなり上位に来るはず。冒頭から「金星(ヴィーナス)よ永遠にッ。金星へッ。」("ッ"がヤバい)とか、かなりトバしてて楽しみながら翻訳してるのが伺えやす。他にも女性化された金星と抱き合いながら金星へダイブするシーンや、アポロ号の機材と同化して船内を眺めているシーンとかキテます。船長の告白シーンなんかも、この作品の世界観をよく象徴してやす。
「本気であの豚に惚れてたんだ」
「あれだけが本当の意味で俺の物になった生き物だった。そのうち俺は人間関係に巻き込まれて、全部メチャクチャになった」