男に生まれた以上、腹をくくってキメるべき転機があるんす。就職、結婚、人によって内容は様々ですがハウスDJなら・・・
アレン&ヒースでしょうが!
Allen&Heath
XONE:62
ということで、自分への誕生日プレゼントという言い訳の大人買いしちゃいやした。飯島愛とお揃いのモデル。
これからミキサー買い替える人の参考ために、ボクがXONE:62に辿り着いた条件をまとめてみやした。あくまでボク個人の意見なんで、間違ってたり偏見に満ち溢れてたりするかも知れませんがご容赦を。
○予算20万円程度
スタイルの変化や機材の進化、消耗品であることなどを考慮してミキサーは約3年周期で買い替えてるんで、あまりに高すぎるのは除外。今の経済力なら、これが限界だし。ビンテージもんはメンテがダルそうなんでパス(信頼できる業者さんを見つけても、修理の間ミキサー触れないとか我慢できないんで)。
○EQ
EQフェチのボクが萌える条件は、つまみやすい大きさ、両手でいじっても指同士が当たらない程よい間隔、微調整もアグレッシブなイコラジングにも対応できる適度な硬さと効き具合。
VestaxのEQはつまみが小さく間隔も狭過ぎるので×。ECLERはつまみがでかすぎ&ビジュアルがちょっと。Pioneerは軽すぎ。Rodecだと荒々しいイコラジングができないので除外。
あと最近はミキサーのEQをすぐアイソレーター化するけど、微調整やりにくくなるので正直やめて欲すいっす。スカっと切りたいならアイソレーター使うし。むしろ、ブーストを+6dbとかじゃなくて+12dbくらいまで出してもらえると非常に助かるんですが。。。
○箱使用に耐えうるスペック、スタイルを限定しない汎用性
箱に持ち込むことを考えると、誰が触っても使いこなせる汎用性は大事。自分だけ良くてもパーティーは成り立たないんで。
Ureiをはじめとするロータリー式は、どうしてもプレイスタイルやかける曲を限定されちゃうのが好みじゃないんす。もちUreiでしかできないプレイもあるけど、スムースミックスだけなら縦フェーダーとEQを駆使すれば充分可能だし、個人的にはクリアで硬めの音が好きなんでUreiには特にこだわりませんでした。
ただ、エロさというか艶っぽさは圧倒的にロータリーミキサーに軍配があがるんだよなあ。ま、日本は世界で一番Ureiを保有してる国だから、所有しなくても触れる機会あるのでいいかな。
○マイク入力
声フェチとしては、ここは外せない部分。ボクは自分の声にエフェクトかけるんで、マイク入力とボリュームだけじゃなくEQもついてるとありがたし。
ちなみに今回購入したXONE:62マイクチャンネルが2系統あるんですが、最近マイクの掛け合いに憧れてるんで、まだ見ぬ未来のパートナーのために1系統空けてやす。ハウスのハメ感やGrooveをわかってるMCマヂ募集中す。興味ある人、メール待ってやす。
○豊富なチャンネル数
マイク入力の他に、タンテ×2、CDJ/ぴゅんぴゅんマシーン (Phono/Lineで振り分け)、サンプラーで最低4つは必要。XONE:62は、6ch(Phono/Line 4ch+マイク/Line2ch)。
○エフェクター接続用のセンドリターンもしくはAuxアウト
エフェクターをマスターアウトにかますと、音質を損するのでセンドリターンかAuxアウトは必須。Xone:62なら、Auxアウト→空いてるチャンネルのインを使えばEFXなどの使用が可能。2系統あるMic入力の1つをエフェクト用として使用すれば、Line/Phonoチャンネルを潰す必要もなし。
○フェーダーカーブとストローク(長さ)
ミックス時の出音はできる限り手元で細かく調整したいので、縦フェーダーのカーブは癖のない正比例直線が理想。パイオニアやRaneは、立ち上がりからドカンと出る急カーブなので除外。
ストロークに関しては長い方がロングミックスはしやすいけど、あまりに長いと抜き差しとか瞬発力がなくなるので程良い長さで。Rodecは音質、フェーダーのカーブは好みだけどストロークが長過ぎ、パイオニアはストロークが短すぎ。
○ヘッドフォンジャックの位置
手前側の側面(DJしてると腹の位置に来る部分)につけてるミキサーあるけど、狭いブースでひっかかったりするんで×。
○端子の位置
端子類が裏面(操作パネルの対面)にあるとラックマウントできるんで収まりもいいんだけど、ボクが普段やるような箱ではマウントできない場所も多々あるんで、背面じゃないと厳しいんす。そもそもマウント式ではめ込むようなしっかりしたブースがある箱には、それなりのミキサーが入ってるんで持ち込む必要ないし。
クリスタルさんが最近購入したXone:S2は、3バンドEQ、大きさもコンパクトで音質も良いと聞いたんで最後まで迷ってたんだけど、端子が裏面、予算オーバーの2点で除外。
○表面の素材
たまにみる鏡面加工っぽいのは指紋ベタベタで汚くなるんで論外。白色も同様にダメ。塗装の剥がれや傷が目立たず、汚れても味の出るつや消し素材がベスト。
と、これらの要素を考慮すると必然的に残るのはXone:62しかなかったというわけ。もち全ての条件を満たしてるわけじゃないし細かい不満もあるけど、そこら辺は慣れと機材愛で乗り越えられるだろうということで購入に踏み切りやした。
折角なんで、一日使い倒してみた感想もまとめておきやす。
<ココが好きだよXONE:62>
●音質
印象としては、シャッキリした派手な音。ただ、ドンシャリしてるだけの下品な音では決してないっす。確実に言えるのは、10万円クラスのミキサーと比べると音質は格段に向上しやした。特にLowが瑞々しく力強いので、くっきり音がわかれてるような打ち込みはバッチリ映えやす。生音はあわないかなあと思ってたんですが、マスタリングが優れてるGeorge Bensonを試聴したところ、充分鳴ってたんで今んとこ気になりやせん。
日本だとUrei系の丸みのある音ばかりが良しとされがちだけど、ダンスミュージックやるならこういう音の良さも全然アリかと。ボクはクリアで硬めの音質が好きなので、気に入ってやす。将来的にデジタル化を余儀なくされることを考えると、この手の音質に早めに慣れたいしね。
●混ざり具合
Lemioli@ModuleでXone:464を触った時も感じたけど、ミックスは音が重なるというより混ざってる感じ。EQをフラット、フェーダーマックスの状態でロングミックスしても楽勝キープできます。縦フェーダーの1〜6まではほぼ飾りってミキサーも多いけど、こいつはミックスの立ち上がりも素晴らしく1〜3あたりからじっくりミックスできやす。混ざりが良いから多少のピッチのずれも心地良いグルーブを出してくれるし、ガチャガチャ抜き差ししてもしっかりついてきてくれます。
Allen&Heath使いのMark Farinaがミックス中にフェーダーを微妙にシコシコ上下させるけど、その理由がやっとわかりやした。打ち込みのロングミックスはマヂ癖になりそう。
Pureselfでいつも使ってるRodecも混ざりは悪くないけど、自分のスタイル的にはA&Hの方がGrooveを紡げるような気がしやす。
●ゲインの微調整
ゲインを絞りきると無音になるミキサーが多いけど、これは絞っても無音にはなりやせん。なんで、それだけ繊細な調整が可能。安いミキサーだとちょっとゲインをいじっただけで、アホみたいに大きくなったり小さくなったりするんでゲインの位置は固定してEQとフェーダーで調整してやすが、これならミックス中にゲインもあわせて微調整もできやす。これは現場でも重宝しそう。
●意外に使えるフィルター機能
DJ時のエフェクターは空間性を強調できれば良いという考えなんで、音がこもるフィルターなんてわざわざ使わねえよと意固地になってましたが、意外に使えるかもです。すいやせん。
デリックメイとかテクノDJがよくやる、潜らせる→じらす→ドカーンみたいなやつは簡単にできやす。つまみ1つで簡単に操作できて、かかりも正確&強力。各チャンネルに振り分けられるのもナイス。ミックス中に片方のチャンネルだけにフィルターかけたりすると面白いGrooveが紡げやす。
ただ、かかりが強いだけにやりすぎるとどっちらけになるんで、少し試行錯誤が必要かも。
●縦フェーダー
程良い硬さとストローク。ガツンと入れることもスムースミックスにも対応できるんで、ミックスジャンキー系のハウスDJには持ってこいっす。各チャンネルの縦フェーダーの横にピークメーターが、(簡易的だけど)表示されるのも便利。
●横フェーダー
ヒップホップミキサーばりに軽いんで、ハウスミキサーでは封印されがちな横フェーダーを使ったテクニックもできそう。2種類しかないけど、一応カーブも変えられます。
●ビジュアル
スペーシー。宇宙船のコクピットみたい。
今んところ気付いた長所はこんなとこ。不満な点も一応あげときやす。
<ココがヘンだよXONE:62>
●4バンドEQと独特のカーブ
これは慣れるしかないんだろけど、midがmid high, mid lowに分かれてるんでボーカル部分をまとめてイコライジングしたいとか不便。ただ、4バンドでしかできないイコライジングもあるので、悪いばかりじゃないかも。
EQのカーブは、安いミキサーに比べると明らかに違いやす。特にLowに関しては今までのミキサーと比べると思った以上に切れるし、上がり方も独特なんで微調整しないとGroove逃げちゃいやす。これは慣れの問題なんで短所ではないんだけど、ボクはEQをいじくりながらミックスするスタイルなんでこのLow EQの扱いが一番てこずりそう。ただ、Remiくん情報によれば、ミックス中毒のDerrick Carterがずっと愛用してたパイオニアからアレンに惚れ込んで完全に乗り換えたらしいので、慣れれば気にならなくなりそう。
●出力
出力端子がXLRのみなのでアウトにアイソとかかますとXLR→Phoneケーブルを使わないといけないんだけど、この手のケーブルは需要が少ないから、粗悪なのが多いし長さのバリエーションも少ないんで困りやす。久しぶりにオヤイデ電気行って自作しよっかな。
「そもそもXLR→Phoneって接続がありえないんだよ」というピュアオーディオ的な意見もわかるけど、アイソレーターをマスターにかまさないとDJしてる意味ないんで。。。
他にも、マイクとフィルターがRecアウトには反映されないあたりもちょっとなあ。ただ、ここら辺は、まだきちんと確認してないんで、セッティングミスだったらすいまそん。
とにかくいじってみて感じたのは、「ロングミックスで踊らせる」というコンセプトが徹底しているなあってこと。DJなら誰しも体験する「新しいミキサーは可愛く見える」というブラシーボ効果はあるにせよ、良いパートナー見つけやした。
P.S.
今までありがとう(Technics SH-MX1200)
家庭用ミキサーとしては値段、デザイン、操作性が素晴らしい名機で、2台所有してやした。今はもう生産中止だけど、中古なら3万円くらいで買えるはず。うまくやらないと混ざりが悪くなるじゃじゃ馬な部分もあんだけど、逆に繊細なミックスを要求されるんでスキルアップさせてもらいやした。EQのビジュアルと切れ方が何より大好きですた。
まあ長い間、お疲れ様でした。これからは、アレンがメンテなどで触れない時にサブミキサーとして活躍してもらいやす。
YAMADAtheGIANT | 2007年07月15日 | Audio | コメント (7)