前回 の続き。Shure m97xe+WEのリード線の組み合わせレビュー。ボク個人の感覚がふんだんに織り込まれてやすが、何かの参考になれば。
■MM(ムービングマグネット)型の特許を持つ本家シュアーだけあり、ホント針飛びしにくいです。以前使っていたStanton 680HPは針飛びしやすかっただけに段違い。
■カートリッジの先にブラシ(通称ダイナミックスタビライザー)が、盤面のゆがみを抑えるスタビライザーとホコリ取りの役割をしてくれやす。特にホコリはバッチリ除去。ブラシがけしても微妙なホコリはたまりますが、これならノーブラシでも針先にはたまりやせん。ホコリはDJ中の大きなリスク要因なんでホント助かりやす。
ちなみにブラシをおろせば、針カバーとしても利用できやす。現場の針はどうしようもない時があるので、自分の針は必ず持ち歩くようにしてやすが、針カバーはすぐなくなるので一体化してるのはありがたい。周波数といった数値化された性能だけでなく、地に足着いた設計が見事。
■音質はシュアーらしいファットで豊潤な音。密度が濃く、上品な後味が特徴。残響の表現が素晴らしいす。m44Gを生ビールとすれば、m97xeは高級な赤ワインかな。生音から電子音まで、とにかく音楽的に鳴らしてくれやす。「とりあえず上から下まで出しましたけど何か?」という無責任な音ではなく、全体のバランスを考えた出音。
■特筆すべきは、長時間走った際の粘り腰。これまで分離良くロー、ミドル、ハイの構成音が見えるような音が”良い音"だと思ってましたが、実はこの手の派手な音は耳が慣れてくると飽きやすいし、障害物の多いフロアでは威力を発揮しにくい時がありやす。
一方m97xeは、分離よりも密度・濃さ優先で、上から下までが塊で飛んでくるので迫力を稼ぎやすく、部分的な強調するような音ではないので長時間聴いても疲れません。DJ視点でいえば、ミックス感が濃いのも快感。
■どんな音源でも再生する汎用性にも優れてやす。これってダンスミュージックには欠かせない要素。一晩通して年代やジャンルを超えた音源がかかるからね。
一聴するとNightclub E(黄色)の方が派手な鳴りをするんで好き嫌いが別れるかも知れやせんが、色々聴いてみれば差は歴然す。
例えば、管楽器や声量ある女性ボーカルの高音域、太すぎるドラムなどなど針が無理をする場面に、アナログらしい自然な表現をしてくれます。ナイトクラブはハマればいいけど、こういう追い込まれた時に弱い。
他にも、デトロイトのNSCプレスなどに代表される音圧を異常にあげたレコードは、Nightclubではきちんと再生できないという重大な欠点がありやす。わかりやすい所で言えば、Theo Parrishの一部のレコードとかね。針が音源を選ぶのは解せないんで、今では使ってやせん。
※余談ですがNightclubは、Technicsタンテとの接点相性が悪いという噂も。コンコルドタイプのに、接触不良トラブル(片側しか音出なくなるとか)が多いのは、ほとんどこれが原因のような気が。。。
あえて偏った意見ばかりを書いてやすが、nightclubも名針ですよ。あの空間性は他の針じゃあんまりないですし。
□こんな感じで、Shure m97xeのポテンシャルをWEのリード線で引き上げておいて、冷たいミキサー(Allen&Heath Xone:62)と暖かいカートリッジの特性をお互いに補い合うハーモニーを実現。ボクの知る限りこの組み合わせを押してる人は見たことないけど、改心のセッティングかと(ムフフ
既に、DJ、サウンドシステム所有者、オーディオ素人まで、複数の人に試聴してもらいましたが、Nightclub Eを超えた好評を得ていやす。現場でも何度か試しましたが、調子良いす。
『オーディオとは、技術と芸術の接点に咲く花である』
という名言が大好きなんですが、演奏や収集とは違う刺激はやっぱ新鮮。再生美学を追求する点ではDJは、ミュージシャンよりオーディオマニアに近い立ち位置にいるはずだしね。
Urei+Nightclub E以外にも"良い音"は存在するんで、興味を持った人は自分に合う音を探して色々試してみて下さい。こういうこともD.I.Y.だし。
※リード線の取り付けは、ココ が参考になります。安いのであれば1セット1,000円~2,000円くらいで買えやす。メーカーものよりも、個人で制作しているモノを探した方がお得です。
<補足>
Nightclub
左: コンコルド
右: OMタイプ
NightclubにはコンコルドタイプとOMタイプがありますが、接点不良やトレースのトラブルが多いと文中で書いてるのは全てコンコルドタイプの方を指してやす。OMタイプは所有してないので、トレース能力については判断しかねますが、接点についてはヘッドシェルに依存するので問題ないと思いやす。OMタイプは、リード線についても交換可能なので、2択ならOMタイプなのかなあ。
ただ文中にもあるように、ボクがNightclubのOMをカスタムしなかった理由は、音質が好みでないからです(ダメという意味ではなく嗜好の問題で)。リード線は、音質を根本から変えるものではなくあくまで長所を伸ばすものなので、好きな針をカスタムした方がいいです。リード線の交換は、初心者でも10分〜20分もあれば簡単にできやす。
■MM(ムービングマグネット)型の特許を持つ本家シュアーだけあり、ホント針飛びしにくいです。以前使っていたStanton 680HPは針飛びしやすかっただけに段違い。
■カートリッジの先にブラシ(通称ダイナミックスタビライザー)が、盤面のゆがみを抑えるスタビライザーとホコリ取りの役割をしてくれやす。特にホコリはバッチリ除去。ブラシがけしても微妙なホコリはたまりますが、これならノーブラシでも針先にはたまりやせん。ホコリはDJ中の大きなリスク要因なんでホント助かりやす。
ちなみにブラシをおろせば、針カバーとしても利用できやす。現場の針はどうしようもない時があるので、自分の針は必ず持ち歩くようにしてやすが、針カバーはすぐなくなるので一体化してるのはありがたい。周波数といった数値化された性能だけでなく、地に足着いた設計が見事。
■音質はシュアーらしいファットで豊潤な音。密度が濃く、上品な後味が特徴。残響の表現が素晴らしいす。m44Gを生ビールとすれば、m97xeは高級な赤ワインかな。生音から電子音まで、とにかく音楽的に鳴らしてくれやす。「とりあえず上から下まで出しましたけど何か?」という無責任な音ではなく、全体のバランスを考えた出音。
■特筆すべきは、長時間走った際の粘り腰。これまで分離良くロー、ミドル、ハイの構成音が見えるような音が”良い音"だと思ってましたが、実はこの手の派手な音は耳が慣れてくると飽きやすいし、障害物の多いフロアでは威力を発揮しにくい時がありやす。
一方m97xeは、分離よりも密度・濃さ優先で、上から下までが塊で飛んでくるので迫力を稼ぎやすく、部分的な強調するような音ではないので長時間聴いても疲れません。DJ視点でいえば、ミックス感が濃いのも快感。
■どんな音源でも再生する汎用性にも優れてやす。これってダンスミュージックには欠かせない要素。一晩通して年代やジャンルを超えた音源がかかるからね。
一聴するとNightclub E(黄色)の方が派手な鳴りをするんで好き嫌いが別れるかも知れやせんが、色々聴いてみれば差は歴然す。
例えば、管楽器や声量ある女性ボーカルの高音域、太すぎるドラムなどなど針が無理をする場面に、アナログらしい自然な表現をしてくれます。ナイトクラブはハマればいいけど、こういう追い込まれた時に弱い。
他にも、デトロイトのNSCプレスなどに代表される音圧を異常にあげたレコードは、Nightclubではきちんと再生できないという重大な欠点がありやす。わかりやすい所で言えば、Theo Parrishの一部のレコードとかね。針が音源を選ぶのは解せないんで、今では使ってやせん。
※余談ですがNightclubは、Technicsタンテとの接点相性が悪いという噂も。コンコルドタイプのに、接触不良トラブル(片側しか音出なくなるとか)が多いのは、ほとんどこれが原因のような気が。。。
あえて偏った意見ばかりを書いてやすが、nightclubも名針ですよ。あの空間性は他の針じゃあんまりないですし。
□こんな感じで、Shure m97xeのポテンシャルをWEのリード線で引き上げておいて、冷たいミキサー(Allen&Heath Xone:62)と暖かいカートリッジの特性をお互いに補い合うハーモニーを実現。ボクの知る限りこの組み合わせを押してる人は見たことないけど、改心のセッティングかと(ムフフ
既に、DJ、サウンドシステム所有者、オーディオ素人まで、複数の人に試聴してもらいましたが、Nightclub Eを超えた好評を得ていやす。現場でも何度か試しましたが、調子良いす。
『オーディオとは、技術と芸術の接点に咲く花である』
という名言が大好きなんですが、演奏や収集とは違う刺激はやっぱ新鮮。再生美学を追求する点ではDJは、ミュージシャンよりオーディオマニアに近い立ち位置にいるはずだしね。
Urei+Nightclub E以外にも"良い音"は存在するんで、興味を持った人は自分に合う音を探して色々試してみて下さい。こういうこともD.I.Y.だし。
※リード線の取り付けは、ココ が参考になります。安いのであれば1セット1,000円~2,000円くらいで買えやす。メーカーものよりも、個人で制作しているモノを探した方がお得です。
<補足>
Nightclub
左: コンコルド
右: OMタイプ
NightclubにはコンコルドタイプとOMタイプがありますが、接点不良やトレースのトラブルが多いと文中で書いてるのは全てコンコルドタイプの方を指してやす。OMタイプは所有してないので、トレース能力については判断しかねますが、接点についてはヘッドシェルに依存するので問題ないと思いやす。OMタイプは、リード線についても交換可能なので、2択ならOMタイプなのかなあ。
ただ文中にもあるように、ボクがNightclubのOMをカスタムしなかった理由は、音質が好みでないからです(ダメという意味ではなく嗜好の問題で)。リード線は、音質を根本から変えるものではなくあくまで長所を伸ばすものなので、好きな針をカスタムした方がいいです。リード線の交換は、初心者でも10分〜20分もあれば簡単にできやす。
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