花見week «« »»折田先生

right.gif  Yes! we dope! (Dope Realレビュー)

ついに、、、

じゃ〜ん!!!

キター!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

念願のDope Realをゲッツしやした。

良い歳こいた大人が「3個のつまみ」に、真剣に悩むこと数ヶ月。DJの友人や先輩に相談して、ウザイと言われたこと数知れず。晴れて男になりますた!

■アイソレーターは元々チャンデバ(スピーカーのユニットに音を振り分けるための機材)を、DJが履き違えて使うようになったの始まりだと思うけど、はっきり言ってピュアオーディオ視点からすれば全く必要のない機材。実際、アイソを使わないDJも多いす。当然、人生において何ら役に立つことのない"つまみ"。ある意味、究極の嗜好品す。

■参考までに、ボクがDope購入に至った経緯をまとめると、今回アイソレーターの買い替えで迷ったモデルは3つ。

Model 3500 Crossover

定番になりつつあるAlpha Recording System(ALPHA MUSIQUE)のアイソ。Moduleでいつも使ってるやつす。ノブはUreiのものを使用、つまみは重め。一番の特徴は、バックパネルで各周波数帯を変更できるところ。こりゃ凄い(これがフロントパネルにあれば、もっと凄いことになりそう)。アイソレーターではなくクロスオーバーという商品名にしているあたりにこだわりを感じやす。紹介動画が参考になりやす。

ISO-3001

NYの老舗メーカーGARY STEWART AUDIO(GSA)の新商品。この前、群馬のwoalで触って気になっていたやつです。エフェクトループが内蔵されているのでEFXなどの音質劣化を気にせずにできやす。E&Sがセンドリターン付きのアイソを発売してやすが、エフェクトループを内蔵したアイソは初なんじゃないだろうか。確かにEFXが常駐になってきた状況を考えると嬉しい。
 これもノブはUrei、つまみの重さもアルファに似てます。音質も同程度だと思うけど、GSAの方が若干丸いような気もしました(ただ、これは全く違うクラブで聴いたインプレなので、セッティングの差の可能性があるので間違ってる可能性あります)。アルファは濃い感じかな。waveにコミュがあって写真とかインプレとかありやす。マルチネス兄弟が使ってるみたいだけど、ブラウンドイメージにあってんだろうかw ルイベガも買ったそうな。日本だとi love ureiが扱ってるみたい。

Dope Real Model3300

んで、今回購入したDope Real。ハウスDJなら一度は憧れる名機。Francois K、Theo Parrish、Doc Martinが愛用していることでも有名っすね。日本だとEMMAさん、Moochyさん、Noriさんとかが使ってやす。YellowのEMMA HOUSEや、FKの本気イコライジングでおなじみですね。Joe Claussellのお馬鹿アイソも一応コレ(あれはあんまり参考にならなそうですがw)。

アルファもGSAも、カーブが綺麗で繊細なイコライジングが可能です。Dopeはエグさが特徴です。他にもBozakやらE&Sやらも触りましたが、今回は予算や現場で触った印象からこの3つに絞りますた。

■Dopeを選んだ理由は以下。

◦つまみ:Ureiノブは0dbの部分に突起物があり、暗闇でのプレイには位置がわかりやすいです。んが、ボクの場合はいじる癖が悪いのか突起物に指があったって痛いんす。以前に触りすぎて、DJ中に皮向けて血が出たことがありますw
 ノブを回した時の硬さは、軽過ぎる重過ぎずってのが大事。αやGSAは硬め、Vestac DCR1200は軽めっす。Dopeは程よい塩梅。ただ、ネジを調節すれば好きな硬さに変更できるのでそこまで気にすることもないかも。
 あと、なんといっても、Dopeと言えば特徴的なオリジナルノブでしょう。

この質感と大きさ

ボクは手がでかいので、これだけノブがでかいのはありがたい。個人的にツヤ消し素材が好きなので、質感もたんまないっす。ということで、つまみはDopeに軍配。

◦ビジュアル:今までの経験からして優秀なプロダクトほど、見た目も美しいというのは定説す。GSAはシンプルでソツのない感じ。アルファのシルバーパネル+青目は、近未来デザインでかなり惹かれやした。
 Dopeは、モノクロトーンがとにかく渋過ぎ。シンプルな六角ネジを使用することでプレートをフラットに保つ心遣いや、プレシャスホールマークもあがる。ノブとパネルの間にあいた隙間もカッコいい。

無骨な隙間

おなじみのプレシャスマーク
「原始に戻っていく」メッセージが素敵

◦エフェクトループ: エフェクターはあれば使いたいとはいえEFX500の音質劣化は勘弁なので、GSAのエフェクトループは気になりますた。んが、アレヒ464を始め、箱で使うような業務用ミキサーは大抵エフェクトループがついてるものなので、必要ないと判断。

◦端子: 入出力にバランス(XLR)あるのは大事。ミキサー、アイソ間は非常に短い距離で繋ぐのでそこまでノイズがのるのかは疑問なんですが、XLRの方が精神衛生上良いし、それなりのミキサーのマスターアウトはXLRが基本なのであった方が便利。ちなみに、Vestax DCR-1200はフォンのみ、GSA ISO-30001はピンのみです。DopeとAlphaはXLRもしうはピン(RCA)接続が可能です。

◦ブランドイメージ:EMMAさんやFKをはじめボクが大好きなDJが使用している点は大きかったっす。あと昔から憧れてた機材なので、新商品よりは思い入れもあったしね。Made in Japanってのも◎。この点は、完全な自己満足っすね。

色々聞いたところだと、今後はアルファミュージックが主流になっていきそうな感じみたい。まあ、10万超の業務用アイソレーターは、クオリティー的にはどれも大差ないと思うんで、好みで選べばいいかと。

■ここからは、購入した後の感想す。
 2日間の感想なんでプラシーボ入ってる可能性ありやすが、噂通り音質は結構変わります。最近、主流の冷たく高解像度な音質ではなく、良い意味で粗くファンキー。「音質が劣化する」というレビューをたまに見ますが、Ureiと同じくボクはポジティブな劣化と感じますた。
 アルファミュージックの方がクリアで繊細かつフラットな感じですが、DopeにはDopeのなんとも言えないアナログっぽい心地よさがありやす。もちろん「粗くてかけれない曲がある」とかそういうレベルじゃ決してないす。かなり微妙な差なので、好みで語れる範囲です。Vestax DCR1200シリーズよりは音質良い気がしやす。
 DopeはUreiとの組み合わせないと意味がないという意見もありやすが、Allen&Heath xone62+Shure m97xeというLIVEraryのシステムではマッチして鳴ってやす。ただ、Shure m97xeはカステムしてあり、アレヒとの組み合わせ自体が珍しいので、そこらへんも関係してるかも(針については、以前書いたShure m97xeレポを参考)。

音の濃さはα、良い塩梅で馴らしてくれるのがDopeかな。元YellowのPAであるT君は「Dopeは関西風で、αは東北風の味付けだね」と形容してやた。ボクの印象は、αを「パティシエが作った高級なクリーム」だとすると、Dopeの音質は「昭和風の懐かしい生クリーム」です。Dopeはエグさに嫌味がなく懐かしい。どちらにも変えられない良さがあります。なんで「Dopeの音は薄い。劣化する。」って感想は、言葉のあやレベルのことなので引っ張られる必要はないと思いやす。

■Dope最大の特徴は、やはりブースト機能。最大+20dbという恐ろしさ(vestax DCR1200は最大+4db、αやGSAは最大+12db)。最近の音圧が高いレコードだったらLowなんて2〜3時の方向で割れやす。裏を返すと、それだけユーザーを信用して自由度を残してくれてんすよねえ。マーケティングに毒された大手メーカーじゃ、絶対この発想はできないわ。マックスでブーストする時なんて、絶対ないのにつけてるわけだからね。スポーツカーの最高速度と同じ考えす。優等生的な機材が増えるてるけど、Dopeは古き良き暴れ馬っす(でも根は優しい)。
 音圧の低いレコードを持ち上げる時やハットやミドルを強調したい時は、かなり便利です。

■プレイしてみた印象は、とにかく歪み上手ということ。生音とかブーストしたらご飯何杯でもいけやすよ。ビブラフォンのような高音域の複雑な倍音もしっくり表現してくれやす。

アイソレーターはLowの切ればかりに注目さればちですが、Dopeは特にミドルとハイが素晴らしいです。ハイをブーストさせると嫌みじゃなくジャッキリするし、ミドルあげれば良い感じでファットにこもこります。vestax DCR1200のように、もう少しあげたいのいなあってストレスも皆無です。当然、ボリュームコントロールには最新の注意が必要そうですが。
 購入前に色々情報収集してたら、Dopeは他のアイソに比べてミドル帯域が広いため、キックのトントンが残るという点が気になる人が多いみたい。が、触ってみるとLowをグリグリいっても、全体のボリュームキープがたやすいためDJプレイには適してやす。イメージとしては、ベースがlow、ハットがHiで、残りは全てミドルに集中してる感じです。だから、ミドルだけ残すようなエグいイコライジングでも、Grooveを損なわずにかけられやす。
 切れの良さだけ見れば、EFX500とかに内蔵されてるおもちゃアイソだって、かなりざっくり切れやすが、ざっくりタイプのイコライザーをクラブでいじるとボリュ—ム感が急激に変わるのでGrooveのキープがキツいんす。カーブも急だから微調整も難しい。特に、箱だと返しの反響音込みで体感しているので、バスドラを切れる程の広め周波数帯でLowを切るとスピーカーからの低音+反響音がダブルでなくなるので、家でやる以上に体感音量の差が出ます。もちろん、この効果をうまく使うやり方はあるでしょうが、そこまでハードなイコライジングはしょっちゅうできないので、全体としてハードなイコライザーになればなるほど使用機会は限られててくる気がしやす。まあ、ボクはこういうプレイが下手なんで、偉そうには言えないですが。。
 ハウスDJがよくやる「ドラムやベースに合わせてドンッ」とか「メロディーに合わせてバッバッ、シャキシャキ」みたいなイコライジングは、Dopeみたいな帯域の方がやりやすいはず。購入前まではLowやHiを切っても残るというのはマイナスポイントだと思ってやしたが、逆に微妙なイコライジングからハードなイコライジングまで伸び伸びできるというのは発見ですた。やっぱ数値だけじゃ機材わかんないよなあ。
 面白かったのは、ファンクとかソウルのようなレコードのハイをあげて、プチノイズやシンバル系のハットを強調してあげるとすんげえDopeな鳴りになります。Theo Parrishみたいな音質とイコラジングが、好きな人はまさにストライクかと。打ち込みも自然にハットを切ったり、ベースだけ切ったりできるのでgroovyです。

ボクはざっくりイコライジングよりは、ちまちまとバランスを変えていくのが好きなので、Dopeの操作性はバッチリっす。

■購入してからは、つまみをグリグリしながら毎夜飲んでます。聴き飽きた昔のレコードを引っ張りだして来て、音質の差を楽しんでます。く〜まさにDopeにドップリっす。家にも早く帰るようになりました。夏は暑くて大嫌いなので、今年はこいつと一緒に引き蘢もる予定す。

Dope Realを一言で表すと、
「おそろしかエフェクターばい!!」
ということです。

ありがとうございました。

<おまけ>
LIVEraryブースは、こんな感じに。
ムフフ

至福の光景

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