旅もいよいよ終盤。
銀細工で有名なタスコ。土産物のレベルは確かに高い。
街並はコロニアル建築の情緒ある雰囲気。が、高い標高のせいで空気が薄い上に、心臓破りな坂の上に街があるため、ちょっとした散歩ですら息切れしまくる。1キロくらいの距離でもみんな乗り合いタクシーを使ってる。
Cafe tinというセンスのいい日本人カフェがあると聞いていたので、楽しみにするも閉店してたorz
夜は、打ち込みの音に誘われて町中のディスコへ。日本と変わらないドリンク値段だったが、ハウスで踊れたのでまあまあ。
全体的に物価がクソ高いので日帰りでも充分かも。
日本にいる頃から気になっていたのが、このグアナファト。石畳の上におもちゃ箱をそのままひっくり返したようなお伽の街。歩いてるだけでメヒコ人のポップな美的センスが堪能できる。こういう色彩感覚はホント好き。
ドンキホーテ博物館やらミイラ博物館など変な美術館が多くある。ドンキホーテ博物館のダリや、ピピラ記念像から見下ろす街の全景にはぶっ飛ばされた。
■グアダラハラ Guadalajara
お次は、グアダラハラへ。
シティに続く大都市にも関わらず、夜になるとめっきり人通りがなくなって、警察も少ないので、あまり夜にウロウロできない。道端には、目が完全に逝っちゃってる汚いおっさん、何時間も小刻みに腹筋し続けている乞食とか、ストリートピーポーの層が厚過ぎる。排気ガスや下水のせいで匂いも臭いし、メヒコで初めて治安の不安を感じた。北に行けば行く程、治安が悪くなるってのはホントみたい。
お目当てのバラガン建築。住宅街の中に普通にあってビックリした。
ゴンザレス・ルナ邸
有名なハリスコ州庁舎の壁画は確かにキテた。
メキシコ独立戦争のきっかけとなる演説を行ったイダルゴ神父。どの街にもHidalgoと付けられた通りが必ずある程の大英雄だけど、どう見ても悪役にしか見えない・・・
意外にシティは面白い。昼は、そこら中で蚤の市がやってるし、歩けば屋台に当たるので飯に困ることはない。ルチャリブレやパーティーといった夜遊びも充実してた。
治安は悪いと聞いてたけど、遅くなっても人通りがあるし、警察はそこら中に立っているので、大通りを選んで歩いていれば深夜でもプラプラできる。
メヒコ大好きのマイケルによると昔は悪徳警官がチラホラいたらしいが、ボクがみた範囲では日本の警察のようにいちいち干渉してこないので、嫌な思いもしなかった。
メヒコ人は敬虔なクリスチャンが多い。国民性でもある色キチっぷりと異常な偶像好きは信仰スタイルにも現れていて、路上には様々なキリストグッズが売ってた。
キリストTシャツ
キリストキャップ
もう誰なのかすら、よくわからん
大都市では信号待ちのクルマの間を縫って、よくスナックなど物売りが寄って来る。ただ、シティではファイアーダンスしてる馬鹿がいた。
かなり近くまで近づいてた
チャプルテペック公園。
公園内にある近代美術館がキテた。メヒコは芸術に対してかなり力を注いでいるので、美術館はどの街でも面白かった。
近代美術館で知った佐々木カズヤという日本人アーティスト
ルイス・バラガン邸
バラガン建築は、グアダラハラよりもシティの方が断然良い。バラガン邸は庭に面する壁にさりげなくスピーカーが埋め込まれていたり、扉と衣装棚が同化していたりと美意識とアイディアの宝庫で、ポップな色彩感覚が素晴らしい。建築もさることながら、バラガン本人が使用していた本棚なども見れて興味深い。日本語の本もチラホラあった。
メキシコ国立自治大学(UNAM)
あまり注目されていない場所だけど大ヒット。シュールなモザイク壁画の数々と、巨大な公園スペースの中で都会の喧噪を忘れられる。
以前に書いた大阪キッズランドの良い所だけを更に拡大したような雰囲気。公園内にはスナックやアイスの移動屋台いるので、芝生でゴロゴロしているだけで時間潰せる。
まず壁画ありきの設計w
大学なのに壁画に対する力の入れっぷりが尋常じゃない。図書館なんかは10階立てクラスの大きな建物にも関わらず、四方を壁画に囲まれているため窓がほとんどない。
念願のルチャリブレ観戦。昔懐かしの勧善懲悪アングル、お約束の空中戦に大興奮。イケメンマスカラのミスティコとパワーファイターのストロングマンが2大エースで、彼らが毎週メインを張ってて、テレビでも毎週見れる。本当に日本人かは怪しかったが、日本人レスラーのキャラまでいた。
スタジアム前に並ぶ屋台はプロレス好きなら垂涎もので、マスクやらキーホルダーやらTシャツを買い漁る。試合後には、興奮した客が皆マスクをかぶってワイワイやってた。
金曜日に単発でやっていたパーティーLOOP。大都市らしく欧米のトレンドに近いテックハウスがかかってた。
最後の週末に逝った市内レイブ。
この日はプラプラしていてもダサいロックバーしか見つからず諦めかけた時、何の変哲もないビルの閉じたシャッターをくぐって若者が中に入っていく姿を見かける。もしやとその若者に話かけてみると「ああ、パーティーだよ」。ビンゴ!
素っ気ないシャッターをくぐり階段を登っていくと、屋上には数百人がひしめくレイブパーティーが行われていた。DJブースとスピーカーを屋上に設置しただけのD.I.Yパーティーで、フライヤーはおろか看板すらない場所に、これだけの人が集まっているアングラ感にやられた。繁華街のど真ん中とは思えない開放感。
フロア後方に落ち着きやすい位置を見つけユラユラ踊っていると、隣にいたカップルが「タバコ頂戴」と話かけてきた。タバコクレクレマンだったら面倒くせえなあと思うも、続けざまに「キミは日本人だろ。ボクらはトミイエサトシ好きなんだよ」と囁かれビックリ。話してみるとハウス好きなメヒコ人カップルで、一気に意気投合。ボクが持っていたタバコや、彼らがリュック一杯に持ち込んだビールやら、諸々をシェアしながら一晩中一緒に踊る。彼らは、フロアを移動したり話かけてくるタイミングが素晴らしく、日本人かと勘違いする程とにかくノリが合った。スペイン語だから込み入った話はしてないはずなのに、あの一体感は日本でTやS姉と踊っている感じに近かった。やっぱ言葉によらないコミュニケーションこそ、クラブの醍醐味だよなあ。
最後の最後に良い思い出ができた。
これで街のレポはおしまい。次回はメヒコ旅行記ラストです。