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right.gif メヒコ旅行記6

旅も折り返し地点を通過。

■オアハカ Oaxaca

サンクリストバルの次はオアハカへ。ここも先住民の影響が強い街らしいけど、アートギャラリーがあったり、民族品の値段も高く、サンクリストバルに比べると裕福な街っぽい。

イエルベ・アグア Hierve el agua

オアハカの郊外にある自然の石化プール。水が汚いので入るのに勇気がいるけど、中に使って見る景色は絶景。


モンテアルバン Monte Alban
デカイ


中央アフリカ最古の遺跡モンテアルバン。メヒコのピラミッドはアタリハズレが結構あって「デカイ公園にポツンポツンとピラミッドがあるだけ」みたいな所が少なくないけど、モンテアルバンは当たりピラミッド。
 山の上にある壮大な窪地内に遺跡があって、山から見渡す周囲の景色も絶景。窪地に降りると四方が囲まれているせいか、風の音すら聴こえない息をのむような静寂。拍手するとエコーがする。
 途中、一人で何かを確認するかのように、延々とマラカスを鳴らしながら闊歩するおばさんに出会って大爆笑。マラカスおばさんと名付けた。

一体、何を確認していたんだろうか・・・


オアハカの夜遊びはディスコが主流。

水曜日に入った2階建ての大箱。セキュリティーのボディチェックがめちゃ厳しく日本で言えばアゲハみたいな感じか。平日なのにパンパン。
 隅で酒飲んでたら横で踊ってたおっさんが話かけてきて、また一晩中奢ってもらう。ディスコは金持ちが多いのか、瓶ビールをダース買いしているので、断ってもガンガンくれる。帰り際に歳を聞くと、おっさんではなく20歳の若者だったorz ディスコにいる奴はみな左トン平だと思ってやした。お恥ずかしい。。。
 この頃には、ピークタイムにかかるようなピーピーテクノはだいたい覚えちゃってたので、一緒に盛り上がれて楽しかった。


週末に入ったディスコ。酒が一杯500円と日本と変わらない値段。あまりの高さに即出。何軒かハシゴしてまわったけど、オアハカはどこも高めのディスコばかりみたい。

都市だと朝から晩まで至る所に屋台があるので、クラブ帰りでも小腹を満たせる。

クラブ帰りの牛すじコンソメスープは最高。

■シポリテ Zipolite
オアハカの次は南下してパレンケのフトムが薦めてたシポリテビーチへ向かう。シポリテ近くにはバス停がないけど、Potutlaから乗り合いタクシーを使えば安く行ける。
 乗り合いタクシーで隣に座ったおっさんがラストサムライ(ウルティモサムライって言ってた)好きで、小雪の美しさについて語られる。


シポリテ周辺は、数十年前に欧米のヒッピーが眼をつけた地域で、質素で自由なビーチが点在している。アカプルコやプエルトエスコンディードといった有名ビーチに比べると、カバーニャと呼ばれる安宿が多数あって気軽に過ごしやすい。
 とは言え、注目を浴びてからは長い年月が経っているので、イスラムヘーレスの二の舞なんじゃなかろうかと心配するも、浜辺にはスーパー、定食屋、バーが並ぶ小さなストリートが一本あるくらいで、自由で質素な雰囲気はまだまだ残っていた。街全体がまったりした雰囲気に包まれていて、海パン一丁で一日過ごせる気楽さがいい。
 あと、ヌーディストビーチが近くに点在することもあり、ビーチにいる半数くらいが裸だった。個人的にヌーディスト思想は理解不能なので普通に過ごしてたけど、全裸なのにキャップを被っちゃう外人のおっさんセンスには笑ったw 当然、物価も安く、ボクが回った街ではほぼ最安値に近かった。
 あと、メヒコは法律で公の場所での飲酒は禁止されているにも関わらず(ボクもメリダで一回怒られた)、警察が全くいないため昼から道で堂々と飲んだくれてたりヒドい奴もチラホラ。旅行者より現地人の方がヒドい印象を受けたけど、これは後に話す事件で確信に変わる・・・


右がダニエル。
ゲストハウスの仕事は基本的に全て左のメヒコ人にやらせてたw

泊まっていた安宿Brisa MarinaのオーナーDaniel。彼はアメリカ出身だが、20年前にシポリテに流れ着き、その自由な雰囲気に惚れて、メキシコの市民権まで得て土地を買い、ゲストハウスを開業したという自由人。いつもNikeの海パン&ティアドロップのサングラスというスタイルを崩さず、毎日ほとんど仕事をせずハンモックの上でダラダラしてるw おそらく60、70歳近くのご老体だが、遊びは現役で空気の読み方が達人。
 例えば、パーティー帰りの朝にハンモックで二日酔いの頭を癒していると、どこからともなく近寄ってきて暖かいお茶を差し出してくれる。しかも日本の緑茶(過去の旅行者が置き忘れたものだろう)。
 平日の夜にやることもないので波の音を聴きながらテラスでダラダラしていると、ドンピシャのタイミングでワイン片手に登場し、酒のつまみになるような興味深い話を披露してくる。
 大抵、外国人の長話ってのは途中で疲れてくるものだけど、彼の場合は相づちを打っても打たなくても良いような流れで会話が進むし、ハンモックのリズムにあわせて喋ってくれるので延々と聞き入ってしまう。あ〜老人になるまで遊んでると、このレベルまで達しちゃうのかと感心。朝方にアルコールゾンビと化すS姉さんにも、この会話術は見習って欲しいw
 ダニエルの作るお手製クッキーはホント美味なので、行く機会がある人は是非お試しあれ。

最初の週末に逝ったビーチパーティー

狭い街なのでパーティー情報は嫌でも入って来る。ボクが逝ったのは、渋めのトランスがかかる正統派なレイブパーティーで、DJのレベルも高くて朝方までガッツリ踊れた。


ここで事件のお話。
シポリテの小さなメインストリートに、一軒だけ場違いな高級ディスコがあった。数十メートル歩けばビーチがあるにも関わらず屋内にはプールがあって、土地の物価に明らかに釣り合わないセレブな雰囲気で、客が入っているところは見た事がなかった。
 その割に数人のスタッフが毎日常駐していて、一体どうやって経営してるのか疑問に思っていたある日、事件が起きる。なんとそのディスコオーナーの家が襲撃され、彼は殺されてしまったのだ。ディスコ裏には豪華絢爛な白いオーナーの家があり、ここに3,4人の男がいきなりクルマで乗り込むと、彼を射殺し遺体と共に走り去ったという。隣人が一部始終を見ていたため、翌日には噂がヒソヒソとビーチに広まっていた。実際、事件の翌日には、扉を閉ざしたディスコの前に無数のロウソクや花が並び、表通りを毎夜徘徊していた明らかに度が過ぎていた奴等を見る事もなくなった。どうやらディスコオーナーはドラッグディーラーという裏の顔を持っていたようで、ギャングの逆鱗に触れたというのが、シポリテ住人から聞いた推論だった。
 ビックリしたのは殺人事件にも関わらず、最後まで警察は一切来なかったということ。メキシコは、どんな小さな町にも必ず警察が常駐しているにも関わらず、シポリテには一切いなくてもやっていけるのは、別次元で自治が働いているからなのかもしれない。

ただ、この話でシポリテのイメージが悪くなると嫌なのでフォローしておくと、最低限の常識さえもって行動していれば旅行者には超イージーな町で、海辺でダラダラと時間を潰したい人には最適。
 ボクも大半の日は、海でチョロッと泳いで、後はハンモックに揺られながら、波の音とちょうど混ざるくらいの音量でMiles Davisをかけ、ボルヘスの「創造者」とかボリスヴィアンの「日々の泡」を交互に読みあさるという贅沢な時間を過ごせた。ん〜こういうのが旅行の醍醐味だよなあ。

次回はメキシコシティ周辺です。

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