■早めの時間に高崎に到着して、LIVEraryに遊びに来てくれていたDSKの写真展へ。ローカルスケーターの日常を切り取った彼にしか撮れないであろう写真の数々でちょっと感動。「自分が自分であるために写真」という深いのか浅いのかわからない彼らしい名言が染みましたw 普段はボケっとしてる奴だけど、やることはきっちりやってるんだなあと見直しやした。
■急いで夕食を撮った後、woalへ向かう。ここでのプレイは今年の2月に続いて2回目。
Woalは、Yellowをそのまま小さくしたような雰囲気で、アメリカンハウスな中箱。メインフロアはModuleを大きくしたくらい(気付けば"箱"と呼べるような場所ってほとんどなくなったよなあ)。長方形のシンプルなフロア、広々としたブース、照明スタッフを常駐させてくれるなど細かい気遣いが愛に溢れている。
ブースの広さとか使い勝手を見ると、DJのことを細かいことまで考えてくれててホントいいです。アッキーさんもここのブースは絶賛してました。
■前回Ureiミキサーでしたが、ロングミックスをしたかったのでAllen&Heath Xone464を用意してもらいGSAのアイソとAuxにEFX1000という贅沢なセッティング。前日に店長のIさんが電話をくれてアレヒを使うのは初めてと聞いていたので、オープンの2時間前に入ってPAのKさんと相談しながら時間をかけてサウンドチェック。
Allen&Heath xone:464 初期モデル
鏡面仕上げのボディと大きめのEQノブが渋い
しかも用意されてたミキサーがxone 464の初期型でアガる。
初期464は、Slave to the houseの際にModuleで何回か触ってことありますが、同じ464でも初期型と現行モデルでは微妙に音が違います。初期型の方が音がしっとりしていて、アレヒ特有の「今っぽい硬さ」は多少抑えられてます(クオリティー的には現行も初期型でも大差はありませんが)。ノブが大きくEQもやりやすい。マスターゲインとモニターゲインがノブではなくフェーダーなのもわかってる。現行だとノブだからヘッドフォンボリュームと間違えやすいし微調整が面倒なんす(あれは明らかな改悪)。私見ではハウスなら初期464の方が合ってると思ってます。
あと、この手の近未来デザインって使い込むとダサくなるのが常だけど、初期型は使い込むと味が出るからイイ。Moduleで使ってたやつは表記文字が擦れてのっぺりした平面が傷と手垢にまみれた鏡面とマッチして、なんとも言えない味を出してやした。
結局、PA卓までいじってもらって色々と試行錯誤して、納得のいく音鳴りに。
場合によっては失礼にあたるから一概には言えないけど、選曲やプレイスタイルってのは当日のDJしかわからないので、事前にPAとコミュニケーション取りながら試行錯誤するのは大事すね。試行錯誤する中で最初のセッティングに戻した部分もありましたが、ベストだと納得してやるのとそのままやるのでは雲泥の差があるだろうし。おかげさまでボクが今年やった箱の中では、たぶんトップ3に入る鳴りだったんじゃなかろうか。
クラブは長時間爆音に耳を晒すので、疲れずに程よく迫力ある音質は必須。woalは、規模と機材のバランスがいいです。クルマ社会の地方にありがちな1、2杯飲んだら客の大半がひくようなこともなく、朝まで踊っている客がいたのはDJだけでなく音質の力が大きい気がしやした。
■Slave to the houseで目指している世界に通じるけど、箱鳴りはダンスミュージックの魅力の一つだなと再認識しますた。壁や床が共鳴し、フロア全体がスピーカーと化す状態。その震えをフロアにいるダンサーが吸収することで空間が心地良く4ビートに染まり、その場の存在が全てが音楽になる瞬間。芸術と呼ぶにはあまりに単純で不完全なハウスという音楽が魅力的なのは、こうした環境と同化するポテンシャルを内包しているからだとボクは信じてます。
物理的に考えてフロアにいる人の数や動きによって音鳴りは変化するし、人間の聴力は環境に合わせて時間単位ですら変化しやす。だからこそシンプルなハウスの構造が、その変化を際立たせると。ミックスという現象は、ミキサーの中だけではなくフロアでも常に起こっているわけす。
よくハウスのBPMが心音に近いテンポと言われるけど、クルマのウィンカー音(カッチカッチってやつね)も緊張感をあおるために心音のテンポに近づけていることを考えれば、BPMだけでは”あの感覚"を説明するには不十分なはず。ボクの勝手な仮説ですが、人間がクラブミュージックに惹かれるのは、フロアで低音に包まれる感覚が、胎児が子宮内に響く鼓動音を聴く感覚に似ているからなんじゃないかと思ってやす。昔Yellowでハマってた時に、水の中に浮遊するイメージや妙な帰郷感を感じた経験がありますが、それってまさにでしょ。
余談ですがYellowは、エントランスで並ぶ人がズンズンという低音を感じられるように入り口階段のあたりで最後にサウンドチェックしてたらしいです。それくらい箱鳴りはダンスミュージックの魅力の一つなんす(逆にレイブのように返しがない逝きっぱなしの鳴りにも魅力があるのですが、それはまた別の機会に)。
■オープンするなり前回遊びに来てくれた方が入ってきてくれて、お菓子を頂いて良いパーティーになりそうな予感。群馬で有名なお菓子みたいで、おいしく頂きました(金粉が塗ってあってビビりやした)。ありがとうございます。
De-Rさんや401やうすい夫妻やギラ子など東京から友人も遊びに来てくれたのも嬉しかったす。東京でやるより来てたんじゃなかろうかw 社交性がなかろうがが音楽を通じて、背伸びせず人と交われるのはパーティーの醍醐味ですね。
DJ陣は一番手の方からきちんと流れを作ってくれて、ハズレのない綺麗な流れでした。Marcyは緊張してたくせに、はじまってみたら相変わらず安定して素晴らしいプレイをしてガンガン盛り上げてやした。
なんだかんだで100人近く入ったみたいで、ボクは人がいなくなったら早い時間に終了しようと思ってましたが、結局4時間近くのロングセットさせてもらいました。純粋なダンスフロアと照明がある箱でやったのは最長記録かも。
Woalの店長やお客さんからも好評だったみたいで、ホントにグッドパーティーでした。終わった後に、ハウス畑でないお客さんが「ハウスの魅力がやっとわかった」と言ってくれていたそうでDJ冥利に尽きやした。
■終了後は、オーガナイザーのT君の家に泊めてもらいダラダラ。
翌日は前回に引き続き大澤屋。壁に岡本太郎の原画が飾ってあるんだけど、よくみたら監視カメラがついてやした。
楓セットでミソだれ→醤油だれ→ミソだれのループがオススメです。この前四国で食べた讃岐うどんとはまた違ったコシで旨かったです。帰りのPAでも、うすいお譲とつまみ食いして食い道楽。いや〜楽しかったっす。
T君、DSK、Mさん、woalスタッフ、来てくれたお客さん、素敵な時間をありがとうございやいた。また遊びに逝きたいと思いやす。
<おまけ>
ex手塚太虫こと喰っちゃ寝太郎ことウザ本太助は群馬でも健在。
毎週末、記憶がなくなる程飲んで、人の家にくればDJにダメ出ししながら好き勝手して、パーテぃーには送迎付きで楽しんで、自分のタイミングで爆睡というMr.自堕落。
周りを見渡せば遊び場が減り規制が厳しくなっていき、プレイベートでは年を追うごとに責任や義務に悩まされる中、「最近どんどん遊びが楽しくなってきている」と爆弾発言をする始末。ニート時代に"部屋のプロ"と呼ばれた実力は未だ衰えず。