逝く年来る年2 «« »»逝く年来る年4

right.gif 逝く年来る年3

■12月31日
カウントダウンは昨年に引き続きEMMA@Agehaへ。

はっきり言うけど、この晩のEMMAは、ここ1年で見たDoc Martin、Derrick May、Francois Kといった大御所も全て軽く超えちゃってました(もはや外タレクラスなので、さん付けではなく呼び捨てでいきやす)。
 アゲてるハメてるとか、選曲がいいとか、華があるとか、そういう主観的な次元ではなく、DJとしてのスキルが断然に上。まさに超現場主義。いい加減に外人コンプレックスや、捻じ曲がった権威主義を捨て、こういうDJが国内にいることをボクらは純粋に誇るべきだと思う。
 一応言っとくと、プレイリストを見て「あ~こういう感じなのね」とか脳内断定してるだけじゃ絶対にわからないからね。誰もついてきてくれなかった昨年と違い今年は何人かと一緒に行きましたが、皆度肝抜かれてやした。Disco Dubブーム以降他の畑からハウスに流れて来る人は多いけど、長年ハウスを追い求めてる人はやっぱ格が違う。
 
リスクを避けて理論武装だけしてれば外見はクールに見せやすいけど、現場はそんなに甘くないんす。あれだけ批判を受けやすい不利な立ち位置にいながら、いまだに毎週のように結果を出してるのは伊達じゃない。外タレに頼るのが当たり前のご時勢に、誰にも頼らず一晩一人のスタイルを貫き続け、womb、yellow、Agehaといったデカ箱を毎週パンパンにしてるのって相当の内容がなきゃムリだから。実際、Goldからもう2周は世代交代してるはずだけど、相変わらず当時の人気のまま生き残ってるのってEMMAくらいでしょ。
 とりあえず、いまだに「EMMA=キャッチー、ナンパ」とか、「MIX CDによる熱狂的なファンがいるだけ」とかいう認識は、現場知らな過ぎなんで恥じた方がいいす。フロアで体感したら、そんな寒い感想出ないんで。

技術的に見ても、そこら辺のアングラDJが束になっても、太刀打ちできない次元にいやした。ブレイクの瞬間にスクラッチ入れるとか、レコードをリリースした瞬間ピッチ合わせながら抜き差しするとかありえない。ボクも長い間DJやってるけど、Urei&アイソのシンプルな組み合わせであそこまでミックスのバリエーションを出せるDJは見たことないす。昨年の大晦日よりも確実にパワーアップしてやした。

フロアでは、数年ぶりにTY Network(Tetsu&Yamada)が発足(フロアでのガチハマリを目的としたユニット。活動内容は必要最小限の意思表示。)。
 オープン当初からぐいぐいと躍らされ、カウントダウンのゲストはKevin Aviance(多分)!90年代のクラブシーンが復活したかのようなドラッグクイーンの登場にパカーン!NY直系の語りマイクに悶絶。
 ハウスミュージックってこういうことだよなあとサングラスの裏で軽く涙目になってたら、カウントダウンはピアノのアレ(曲名を書くとそれだけで判断する人がいるから、あえて書かないけど)。フロアで踊ったことのない宅録オタクが作ったようなクリックとかに浮かれてた今年のシーンを、嘲笑うかのような圧倒的ハウスミュージック。ぎゃ~、こういうのを待ってたんす(ガッツポーズ)!!
 カウントダウン周辺はあがってたTY Networkも、2~3時頃のドハメタイムに入り、まさかの完全沈黙!この歳になって、クラブで喋れなくなるとは。。。EMMAっていうとアゲのイメージだけど、ハメても腕組んでウンウン言ってられるレベルじゃないからね。めちゃくちゃスペーシー。ここまで逝ったのは、2006年のメタモで見たSunshine Jones以来かも。
 この日は、5ブースくらいあったらしいですが、結局オープンからラストまでメインフロアから動けずTY network見事に完敗。凄すぎてごめんなさい。今年もEMMAは何度も見てるけど、この日は気合が違った。 どうしても遊びに逝きたかったから、自分のDJ依頼も全て断って望みましたが大正解ですた。

多分ここまで衝撃的なプレイをしても文字面の良いDJではないから、mixiやブログではたいして話題にならないだろうし、あの雰囲気を正当に伝えられるメディアもないでしょう。メディア露出が高くても、EMMAがやってる時にAgehaのフロアがどういうことになってるのかなんて絶対に取り上げないから(あんな危ない光景を、掲載できるわけないw)。ボクが書いてるのも、文字で伝えられる部分を切り取ったに過ぎやせん。
 このブログでは何度も書いてるけど、ハウスパーティーは勲章じゃなくて一瞬の快感なんで、少しでも興味を持った人は是非現場に足を運んで見て下さい。純粋踊りたい人なら、絶対満足できるはずなんで。逆にああいうので快感を感じない人は、ハウス自体が向いてないのかと。

ちなみにEMMAは、今Ageha、Yellow、Wombなどで毎月レギュラー持ってるけど、どれも雰囲気が全く違うので、サイケデリックでエクスタシーな世界を体験したいならAgehaをお勧めします。今、蝶を完全に乗りこなせるのは彼しかいないしね。

※最近気づいたけど、蝶のシステムって人が多い程、音は良くなる気が。人がガラガラの状態だとフロアの床とか色々振動しちゃって余計なノイズも多いんだけど、フロアが混んでくると人が緩和剤になるんで、余計な振動は抑えられるんす。フロアの四方から4発の巨大スピーカーでカバーするシステムだと、混んでくると肝心の音も吸収されちゃって場所によって聞こえ方が全く違ってくるけど、蝶は上から吊るした38発のスピーカーでカバーする設計なので人が多くなることによるデメリットが小さいんす。人が多くなるとフロア中央に設置された巨大ウーハーが駆動するんで音の迫力も損なわれないし。カウントダウンも、人のいないオープン時よりもピークタイムの2時、3時頃が一番キモチ良く鳴ってやした。蝶のシステムを設計したJim Tothの発想はやっぱ素晴らしいね。

2008年の初日の出

<参考>
agehanewyear1.jpg2007年の初日の出

コメント:

明けましておめでとう!
このレポ 読んでて楽し

年明けの曲・・すげぇ気持ち分かる。

いやいや最高だったね。

これぞ本当のパーティーだな、と思った。

アングラ・地味・小箱=かっこいい
キャッチー・派手・大箱=ちゃらい 

↑この固定観念に未だに囚われてる人はカワイソ過ぎだね。もっと遊べ。

個人的にYAMADAがガムをくれるタイミング
にセンスを感じた。

TY Networkに爆笑。
今回はネットワークに入れなかったナ~。残念。

しかし、あのドラッグクイーンの語りマイクは素晴らしかった。音であれって速攻ブースみたら、凄いの登場じゃん!!!

こういうパーティーとFuture TerrorやFlower of Lifeなどに代表されるインディペンデントなパーティー郡が対極にあるのは理解できるんだけど、純粋に遊んでみたら自分は両方好きなんだよなあ。。。どちらにも良い所・悪い所あるんだけど、フロアにいれば音が中心にあるのは変わりない。どっちが優ってるとも劣ってるとも思わない。
 それなのに、メディアとか理論武装者が操作した情報で、無駄な対立構造が生まれてる。理論武装を破るのは経験しかないんだけど、特に若い人は経験が少ない上に純粋だから騙され易い(ボク自身も気付かずに騙されてる部分はあるはず)。アングラといいながら一部のオピニオンリーダーの意見には、盲目的に従うような捻じ曲がった権威主義も存在する。
 悲しいかなこういうレポを書いた時点で「自分とは違う側の人間だな」と拒否しちゃう頭の固い人もいると思うし。

最近現場でまわしてても、シーン全体の熱が冷めていくような恐怖をヒシヒシと感じるんで、つまらない対立や偏見を抜きにしてみんなが一つになるような力が必要だと思う。自分がフロアに惹かれるのは、裸一貫の自由な部分だし。
 人間関係でも、第一印象は最悪だけど喋ってみたら気が合う奴の方が仲良くなる。あれと同じで、居心地の良い場所に居座るだけでなく、未知の場所に飛び込む勇気も必要かと。外れる時が大半かも知れないけど、ミラクルはそういう時に生まれるから。

決して上から目線で何かを評論したいわけじゃなく、ボクの書いたことが誰かのきっかけになれば嬉しいす。

今更恥ずかしながら当然の主張をさせて貰うと、情報過多なこの時代だからこそ、自分に必要な情報・真実の情報を取捨選択できる判断力が必要だと思う(マジ笑w)。クラブカルチャー以外の部分でもね。これだけネットが身近なものになってしまうと、多少の差はあれどネットの情報を無意識レベルで脳内補完してしまってる筈(つまり洗脳)。周りを見渡すとネットの射程範囲外に身を置いている人の方がピュアな感じがする。全て実体験によって経験・知識を得ているから変に斜に構えていない。
過剰な情報や意図的に操作された情報は、実際に体験したような、大袈裟かもしれないけど、ある種の錯覚を生じさせるような危険を感じます。状況をイメージ→そこにいる自分をイメージ→あ、こんな感じね、みたいな。この「あ、こんな感じね」をリアルと断定するのはとても危険です。それと、日本人は事象をタイプ別に分類(グループ化)する傾向が強いと個人的に思ってるので、その辺をクラブカルチャーに結びつけて考えると対立構造が生まれる(そうなの?)のも納得できます。グループ化→グループ間の対立(マジ笑w戦争ですよ!これはw)。
YAMADA氏も言ってるけど、「グループ化」より「融合」の方が楽しそうですよね。サイケデリックとはそういう事じゃないかなと個人的に思います。(薄~い思想でごめんなさい)

今回のカウントダウンEMMA@Agehaは誰が何と言おうと自分にとっては最高のパーティーだったし、その場に居なかった人に否定はさせません。現場にいた人の批判は許可しますけどね。
この年で経験することの大切さを学びましたよ。

コメント投稿: