■メヒコの最大の特徴と言えば、国民性である色キチっぷり。ボクはこの配色センスを感じたく行ったのですが、実際に見ると相当キテますた。
どんな街にもペンキ屋が点在し、壁はもちろん家具から鍵やらガスボンベやら電化製品やらなんでもペンキを塗りまくります。しかも、紫に黒、ピンクに茶色といった近代の色彩学からすると度肝を抜かれるような狂った配色センス。街を歩けば常に複数の原色が視界に入ってくるのでチカチカしやす。
以下にアップした写真は特別なシーンを切り取ったわけではなく、街全体がこの原色ペースだと言えばわかってもらえるかも。
■次に忘れてはいけないのは、異常な音楽のボリューム感覚。とりあえずスーパー、服屋、ドラッグストアなどほとんどの店が「小規模レイブ並みのスピーカー」を設置しているとイメージして頂きたい。朝早く歩いていると店々がシャッターを上げ、まずスピーカーを(店内ではなく)通りに向けて設置するという光景が見られやす。当然、店同士の音は混ざりまくったり、割れまくったりと賑やかです。
街には大きなスピーカーを扱う機材屋がたくさんあるので需要は相当あるみたい。
全然家庭用サイズじゃない
機材屋では1万円以下の低価格DJミキサーがよく売られていて、一般の小売店でもよく使われてます。
街中でかかっている音は、ピーピーいってるチープテクノやレゲトン、人気曲をダンス調にしたブートミックスといった下世話な打ち込みが8割、残りが伝統的なラテン音楽やポップスといった感じ。特にBlack eyes peasは大人気で、様々なブートミックスを日に何度も耳にすることができやす。内容はともかく若者に限らず踊りやすい打ち込みはかなり人気みたいで、深夜にクラブを探して4つ打ちに誘われて歩いていくと、ドラッグストアだったというのはよくある話(病院が少ないメヒコでは、ドラッグストアが病院の代わりなので24時間営業のところが多い)。
当然バスでも、結構な音量で運転手セレクトの音楽が延々とかかり続けます。各席でクーラーの風量は調整できてもスピーカーの音量は固定という徹底ぶり。長距離バスでは、クラシックのようなヒーリングミュージックがかかる場合が稀にありやすが、ボリュームが大き過ぎるので癒し効果は全く期待できやせん。日本から持っていったインナーイヤーのイヤホンは、耳栓として大活躍しやした。
地下鉄でも小箱レベルの音量が流れてやすが、これはスピーカーを背中にしょった物売りがmp3を詰め込めるだけ詰め込んだ違法CDを売りに来るため。メキシコシティではこの商売がかなり盛んで、1駅ごとに違う人が明らかに自作したであろうスピーカー内蔵のリュックを背負いながら車両を移動していくので、かかっているCDがその場で買えやす。至るところでCD、DVD、ゲームの違法コピー屋台があるので、著作権はフリーみたいですw
また若者は、携帯電話を手に持って音楽を再生しながらよく歩いています。もちろんイヤホンは使わず外に垂れ流しです。
とにかくメヒコ人は音がない環境を不自然と捉えているっぽく、工事現場だろうが乗り合いタクシーだろうがどこでもピーピー、ドンドンと音が流れてやす。公園で楽器すら弾けなくなった東京の惨状を考えるとこれは新鮮。
■3つ目の特徴としては街の構造。メヒコはスペインの植民地時代の影響が今でも色濃く残っているせいか、街の中心部には必ずソカロと呼ばれる大広場がおかれ、近くにカテドラルと呼ばれる大教会、メルカドと呼ばれる庶民市場があります。繁華街や交通機関は全てソカロを中心に密集しているため、街の全体像を把握するのはかなり簡単。この構成は大都市でも、小さな村でも同じですが、ソカロや教会の雰囲気は街にごとに大きく異なるので地域色は逆に浮き出やす。ソカロには屋台、路上ミュージシャン、ピエロ、乞食、家族連れ、警察、かたぎじゃない人達などが混在し、広場に座ってボーっとしているだけでも色々な情報が入ってきたり、誰かが何かやりだすので飽きやせん。
次回は、実際の街の写真をアップしやす。