Freeform Series-Sample/Pattern
Disc Jock Jamal Moss
Hieroglyphic BeingとかThe Sun God名義でおなじみのJamal MossのMIX CDを聴いたんだけど、久しぶりにガツーン!!
モス男のレコードは結構持ってるけど、全部含めてもこのMIX CDが今んとこ一番す。
まず、使用機材が笑えます。テープエディットマシーン、リールトゥリール、Rolandの簡易サンプラーSP404、Geminiのディスコミキサーと、ビンテージ節がプンプンするんだけど、アホなのがベルトドライブのターンテーブル!!
DJじゃない人のために説明しておくと、タンテには大雑把に分けるとダイレクトドライブとベルトドライブって駆動方式がありやす。ダイレクトドライブは、モータをテーブルに直結して動かすので、トルク(回転力)、安定性、耐久性に優れてやす。ベルトドライブは旧式の駆動方式で、モーターとテーブルをベルトでつないで回転させるので、ベルトを介す分、トルクも弱いし、ベルト自身が磨耗するんで耐久性、安定性にも欠けちゃいやす(厳密に言うと音質の違いもあるから、一概にベルトドライブを否定はできないけど、そういう話はまたいつか)。実家とかで眠ってる古いプレーヤーって、触ると回転数が落ちたり、出足が遅かったりするでしょ?あれはベルトドライブだから。逆にDJがよくやるバックキューとかスクラッチってトルクが強くないと難しいんで、最近のクラブにあるタンテはテクニクスSLシリーズをはじめ、ほぼ100%ダイレクトドライブです。
余談ですが、ボクは安いって理由だけで1年くらいGeminiのベルトドライブを使用してた時期があるんですが、悲しいくらい力なく止まります。ピチコンも不安定だし。ま、そのおかげでタッチは繊細になったから、結果オーライだけど。そう考えるとテクニクスのSLシリーズって、素晴らしき過剰品質だと思ふ。
ちょっと話逸れたけど、このCDではそんな旧式のタンテを使用しているので、MIX時に音がゆがんだりズレたりしまくるんだけど、それがGroove荒削りまくり。もちろん確信犯でやってんだろうけど、狙ってすぐできるもんじゃないですよ。単純なループビートに、エディットされたフレーズがラフに足し算されてく感じとかもたまんないす。
音質の方もオールドシカゴをバッチリ意識してて、テープコンプかけまくってエグいことに!ノイズのりまくりだし、割れちゃったりしてる箇所もあるんだけど、それがまた官能的。あの乾ききったハットとか、潰れ気味のキックとかだけで、ごはん何杯でもイケますよ。やっぱDJの色気は、選曲や流れよりも音鳴りに出る気がします。
シカゴハウスって、今や最大公約数的なジャンルになってきてるけど、これほど徹底してるシカゴフリークは中々いないと思ふ。あの時代しか受け入れず進化すら拒んでいるようなスタイルは、狂気(狂喜?)染みてるしまさにフェチズムでしょ~。Ron Hardyの名も恥ずかしげもなくクレジットされてて、その信者っぷりもガチっぽいし。
話題になってるChee ShimizuさんのMIX CD『The Heretic in a Little Planet』が恐ろしく音質イイのですが(Bozak使ってるのあかなあ?録音機材わかる人いたらメール下さいです)、モス男→Cheeさん→モス男っていうルーチンで、音質の落差で楽しむのが密かなマイブームです。目指してるベクトルは全く違いますが、どちらも音鳴りで濡らす感じなのでおすすめです。
あと、Interdimensional TransmissionsとかMathematics Recordingsで、モス男のライブ音源がダウンロードできるんで気になった人は是非~★